アイネクライネ ナハトムジーク【第一楽章】

弦楽器の艶やかな音色が

一瞬にして

わたしを別世界へと連れてゆく


気づけばそこは

華やかな音楽が鳴り響く宮殿の中

零れんばかりに幾多の花が咲き乱れる庭園


ふいに 夜の帳が辺りを覆い

淡い月明かり 百花繚乱の庭園が

夜闇の中に浮かび上がる


春色の風を纏い

庭園を舞うあなたは

月夜の天使か 春の女神か

魅入られて わたしは

あなたの姿を追いかける


遠くから聴こえる管弦楽の調べに合わせ

軽やかな足取りで 微笑みながら

あなたはわたしを 優しく誘う


近づけば 花々の間にその身を隠し

遠ざかれば その笑顔を月光の元に晒して

甘い香りに包まれた

それはほんの束の間の

あなたとわたしの 秘密の戯れ


さぁ つかまえましたよ わたしの女神


わたしの言葉に あなたは無邪気な笑顔を浮かべ

その両の腕を わたしへと差し伸べる


月の美しい 穏やかな夜

あなたとわたしの 秘密の逢瀬は

今宵も花々に守られて

ああ わたしは今 天にも昇る気持ちです


***********

アイネクライネ ナハトムジーク

モーツァルトの有名な曲ですね。


Eine Kleine Nacht Musik

(小さい 夜 音楽)←直訳


曲名が【夜】なので。

正直なところ、この曲を聞いても全然【夜】感は無かったのですが(^_^;)

何とか夜を思い浮かべてみました。

なんでしょう?

華やかで楽しそうな光景しか思い浮かばなくて。

でも、【夜】なんですよねぇ…

ということで。

春の夜の、花が咲き乱れた庭園を想像してみました。


有名過ぎる曲だからか。

曲名とわたしのイメージがあまりに違い過ぎたからか。

今回、思った以上に手こずりました(>_<)

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