『ラ・カンパネラ』にのせて~キミの記憶~

遠くから 今日も高く澄んだ鐘の音が聴こえる

キミと一緒に訪れた あの教会の鐘の音だ

キミと僕を繋いでくれる 唯一の希望

あの音が聴こえる度に 僕はキミを想う

キミとの大切な想い出を


コロコロと 鐘の音のように澄んだ声で

キミはよく笑っていた

輝く太陽にも負けない 笑顔を僕に向けて


時折寂しげな顔で 僕に聞いたね

私達 ずっと一緒だよね と

僕はこう答えたんだ

神に誓って ずっと一緒だよ と


あの頃の僕は

キミとの時間が永遠に続くと信じていた

キミと僕が離れ離れになることなんて

永遠に来ないと信じていたんだ


鐘の鳴り響く教会の中で 僕ら2人

永遠を誓い合った

何が起きても どんなことがあったって

決してキミを離しはしないと


幸せだった

僕らを祝福するように 鳴り響く鐘

でも キミはずっと怖れていたんだね

僕らを引き離そうとする 運命を


やがて訪れたその日も

高く澄んだ美しい鐘の音が鳴り響いていた

為すすべも無く 涙を流すキミと過ごした最後の夜

心だけは

せめて僕の心だけは キミのものであり続けると

僕はキミに誓ったんだ


あの鐘の音は

キミとの全ての記憶を 僕の中に想い起こさせる

楽しい記憶も

幸せな記憶も

辛い記憶も

絶望に打ちひしがれた記憶も


それでも僕は今日も

あの鐘の音が聴こえるのを待っている

いつか

鐘の音と共に キミがここへ来てくれるような気がして

そんな希望を胸に抱いて


僕の心は キミに預けた

ここにある僕の体は ただの抜け殻

それでも僕は生き続けるよ

あの鐘の音が聴こえる限り

キミが僕の元へ戻れる日がくるまでは


そう 決めたんだ



************************


リストの『ラ・カンパネラ』です。

有名な曲なので、ご存じの方も多いと思いますが、とても美しい曲です。

これ、ピアノで弾くと、指攣りそうになります(笑)


もともと、ヴァイオリンの曲だったみたいですよ。

それを、リストさんがピアノ用にしたんだとか。

どうりで、とんでもなく高難度な曲になる訳だ。

でも。

ヴァイオリンで聴くよりもピアノの音で聴くこの曲の方が、私個人としては好きかな。


『鐘』なんですって。曲名の意味。

先入観持ちたくないからあまり調べてないけど、確かそう聞いた気がする、昔。

それを聞いてしまっていたからだと思うけど。

久し振りにこの曲を聴いた時に思い浮かんだのは、


遠くから鳴る鐘の音に耳を澄ませながら、外の椅子に座って物思いに更ける年配の男性の姿


でした。

全体のイメージ的には


元々ひとつの国だったのが、争いがあって分断されてしまって国交断絶に。

それに巻き込まれ、引き裂かれてしまった恋人


です。

全体的にマイナー調なので、哀しい感じがしますが、それでも最後は力強いのです。

それが、想いの強さを表現しているような気がしました。


演奏者によって、曲から受けるイメージは全く異なります。

譜面を追うのはもうさすがに辛かったので、私が参考にしたのは、電子ピアノで機械的に演奏されている音源と、遠い日の記憶。

これだと、他の演奏者の解釈が入り込んでいないと思ったので(^^;)


色々な演奏者の曲を聴き比べてみるのも、面白いかもしれません♪

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