第9話 告白された余韻

長妻もそうだが。

はー、もそうだが.....俺を好いているという。

俺はその事に衝撃を受ける。

だけど.....その衝撃よりも嬉しく思う方が強かった。

非常に嬉しいと思う感じだ。


「しかし、はー、が俺を好いているなんてな.....」


俺は考えながら外を見る。

そして顎に手を添えて考えた。

それから授業を受ける。

うーむ.....難しくなってきたな、と思う。


「.....」


数学の授業だが難しくなってきた。

俺は必死に追い掛けながらノートを取る。

しかしクッソ難しいもんだな、と思う。

それから俺は黒板を見ながら必死に問題を解いた。



「みーちゃん。帰ろう」


「.....おー.....う.....?」


「.....何?その態度」


「.....いや.....それはそうだろ。お前に告白されたのがまだ胸にあって衝撃でな.....」


「.....あ.....」


赤くなっていく、はー。

俺はその姿を見ながら赤くなる。

そうしてモジモジしているとクラスメイトが、何だぁ?お前ら。もしかしての恋しているのか?、と言い始める。

俺達は、はぁ!?、と慌てる。

そんな事は無いんだが。


「あ、怪しまれるから」


「そういうお前もな!.....ったく」


俺達はその様に言い合いながら苦笑いを浮かべ合う。

それからそんなクラスメイト達に挨拶をしてから廊下に出る。

そして長妻の元に行く準備をしていると.....背後から、先輩、と声がした。

そうしてから抱き付いて来る長妻。

俺は、お、おい!、と慌てる。


「先輩.....私を置いて恋人とイチャイチャですかぁ?」


「いや.....恋人じゃ無いのはお前も知っているだろ。お前の所に行くつもりだった」


「え?.....そうなんですか?」


長妻は離れながら目を丸くする。

俺は、ああ、と返事をしながら長妻を見る。

すると、はー、が、そんなに神経質にならなくて大丈夫だよ、と笑みを浮かべる。

確かに貴方とは敵対しているけど横取りを今更する気も無い、とも言う。


「そうなんですか.....」


「そうだ。2人で話し合った結果だ」


「.....それは失礼しました。.....でも逆に良いんですか?.....凪山先輩は」


「?.....何がかな」


「いや。そんな真似をして.....私が取っちゃいますよ?」


「.....言ったでしょ。私は負けないって」


はー、は自信ありげに返事をした。

俺はその姿に苦笑しながら長妻に向く。

それから、そういう事だ、と返事をした。

すると長妻は、成程、と頷きながら返答をする。


「.....つまり先輩は自信満タンだと?」


「.....何でそうなる」


「自信ありげですから。.....私なんかへでもなく付き合える覚悟だと聞こえました」


「.....そんなメチャクチャな言葉に聞こえたか?」


「はい」


こいつの脳内はどうなっているのだ。

俺はムッとしている長妻を見る。

その姿に溜息を吐きながら、長妻、と向く。

それから、幾ら何でもそれは気にし過ぎだ、と返事をする。


「.....コイツってか.....はー、にはやましい思いはないぞ。俺もそうだが」


「.....本当ですかねぇ?」


「本当だってばよ」


「まあ凪山先輩は信じます。.....でも先輩は心底微妙です」


「.....ひっでぇな.....」


でもやましい気持ちか.....。

思いながら俺は顎に手を添える。

そもそも、やましい、とは何だろうな。


過去も過去だから.....微妙な考えしか浮かばない。

困ったもんだよな。

考えながら俺は長妻を見る。

大丈夫だ、と言いながら。


「.....俺はやましい気持ちはないよ。.....考えても浮かばない」


「それはそれで残念です」


「どっちかな?お前さんや」


「やましい気持ちがあってほしかったです」


「無茶苦茶だ.....」


言っている事がメチャクチャだな。

俺は額に手を添えながら盛大に溜息を吐く。

すると、でも、と言いながら長妻が俺の腕に絡まって来る。

それから俺をニコニコしながら見上げてきた。


「.....先輩がそんな気持ちだっていうのは有難いです。本当に安心出来ますから」


「安心出来るのか?よく分からんな」


「はい。安心出来ます。私は.....そういう人は信頼出来るって思っています」


「.....確かにそうだね」


はー、も俺を見上げてくる。

それから右に長妻。

そして左に、はー、が腕を絡ませてくる。

俺は、な、何をしているんだ!、と大慌てになる。


「.....これは凪山先輩が悪いですねぇ」


「いや。長妻さんだよね」


2人は睨み合ってからそう言い合う。

喧嘩するなって、と言いながら俺は2人を見る。

すると長妻が、まあ、と言いながら離れる。

それから苦笑しながら、仕方が無いですね、と話した。


「今日は譲ります。先に合流したのはそっちでしたからね」


「.....え?長妻.....」


「私ですがちょっと職員室に呼び出しがあるので.....失礼します」


「.....そうなのか?」


「.....長妻さん.....」


長妻は、でも譲ったとは言え。恋人の立場を譲った訳じゃ無いです、眉を歪めながら見てくる。

そして長妻は敬礼して、では!、と去って行った。

俺はその姿を、はー、と一緒に見る。

はー、は真剣な顔のまま崩そうとしなかった。

暫く何かを考える感じだ。


「.....長妻さんは昔からあんな性格なのかな?」


「知らんな。.....でも昔からああいう性格なのかもな。.....何かしてやらないとな」


「.....だね」


そんな感じで俺達は今度こそ帰宅する。

それから学校の門を出てから.....商店街に向かった。

何か食べ歩きでもしようという事になったのだ。

取り敢えずは甘味を探そうと思う。

醤油餅とかその様な辛いものの気分じゃ無かった。

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