第9話 告白された余韻
長妻もそうだが。
はー、もそうだが.....俺を好いているという。
俺はその事に衝撃を受ける。
だけど.....その衝撃よりも嬉しく思う方が強かった。
非常に嬉しいと思う感じだ。
「しかし、はー、が俺を好いているなんてな.....」
俺は考えながら外を見る。
そして顎に手を添えて考えた。
それから授業を受ける。
うーむ.....難しくなってきたな、と思う。
「.....」
数学の授業だが難しくなってきた。
俺は必死に追い掛けながらノートを取る。
しかしクッソ難しいもんだな、と思う。
それから俺は黒板を見ながら必死に問題を解いた。
☆
「みーちゃん。帰ろう」
「.....おー.....う.....?」
「.....何?その態度」
「.....いや.....それはそうだろ。お前に告白されたのがまだ胸にあって衝撃でな.....」
「.....あ.....」
赤くなっていく、はー。
俺はその姿を見ながら赤くなる。
そうしてモジモジしているとクラスメイトが、何だぁ?お前ら。もしかしての恋しているのか?、と言い始める。
俺達は、はぁ!?、と慌てる。
そんな事は無いんだが。
「あ、怪しまれるから」
「そういうお前もな!.....ったく」
俺達はその様に言い合いながら苦笑いを浮かべ合う。
それからそんなクラスメイト達に挨拶をしてから廊下に出る。
そして長妻の元に行く準備をしていると.....背後から、先輩、と声がした。
そうしてから抱き付いて来る長妻。
俺は、お、おい!、と慌てる。
「先輩.....私を置いて恋人とイチャイチャですかぁ?」
「いや.....恋人じゃ無いのはお前も知っているだろ。お前の所に行くつもりだった」
「え?.....そうなんですか?」
長妻は離れながら目を丸くする。
俺は、ああ、と返事をしながら長妻を見る。
すると、はー、が、そんなに神経質にならなくて大丈夫だよ、と笑みを浮かべる。
確かに貴方とは敵対しているけど横取りを今更する気も無い、とも言う。
「そうなんですか.....」
「そうだ。2人で話し合った結果だ」
「.....それは失礼しました。.....でも逆に良いんですか?.....凪山先輩は」
「?.....何がかな」
「いや。そんな真似をして.....私が取っちゃいますよ?」
「.....言ったでしょ。私は負けないって」
はー、は自信ありげに返事をした。
俺はその姿に苦笑しながら長妻に向く。
それから、そういう事だ、と返事をした。
すると長妻は、成程、と頷きながら返答をする。
「.....つまり先輩は自信満タンだと?」
「.....何でそうなる」
「自信ありげですから。.....私なんかへでもなく付き合える覚悟だと聞こえました」
「.....そんなメチャクチャな言葉に聞こえたか?」
「はい」
こいつの脳内はどうなっているのだ。
俺はムッとしている長妻を見る。
その姿に溜息を吐きながら、長妻、と向く。
それから、幾ら何でもそれは気にし過ぎだ、と返事をする。
「.....コイツってか.....はー、にはやましい思いはないぞ。俺もそうだが」
「.....本当ですかねぇ?」
「本当だってばよ」
「まあ凪山先輩は信じます。.....でも先輩は心底微妙です」
「.....ひっでぇな.....」
でもやましい気持ちか.....。
思いながら俺は顎に手を添える。
そもそも、やましい、とは何だろうな。
過去も過去だから.....微妙な考えしか浮かばない。
困ったもんだよな。
考えながら俺は長妻を見る。
大丈夫だ、と言いながら。
「.....俺はやましい気持ちはないよ。.....考えても浮かばない」
「それはそれで残念です」
「どっちかな?お前さんや」
「やましい気持ちがあってほしかったです」
「無茶苦茶だ.....」
言っている事がメチャクチャだな。
俺は額に手を添えながら盛大に溜息を吐く。
すると、でも、と言いながら長妻が俺の腕に絡まって来る。
それから俺をニコニコしながら見上げてきた。
「.....先輩がそんな気持ちだっていうのは有難いです。本当に安心出来ますから」
「安心出来るのか?よく分からんな」
「はい。安心出来ます。私は.....そういう人は信頼出来るって思っています」
「.....確かにそうだね」
はー、も俺を見上げてくる。
それから右に長妻。
そして左に、はー、が腕を絡ませてくる。
俺は、な、何をしているんだ!、と大慌てになる。
「.....これは凪山先輩が悪いですねぇ」
「いや。長妻さんだよね」
2人は睨み合ってからそう言い合う。
喧嘩するなって、と言いながら俺は2人を見る。
すると長妻が、まあ、と言いながら離れる。
それから苦笑しながら、仕方が無いですね、と話した。
「今日は譲ります。先に合流したのはそっちでしたからね」
「.....え?長妻.....」
「私ですがちょっと職員室に呼び出しがあるので.....失礼します」
「.....そうなのか?」
「.....長妻さん.....」
長妻は、でも譲ったとは言え。恋人の立場を譲った訳じゃ無いです、眉を歪めながら見てくる。
そして長妻は敬礼して、では!、と去って行った。
俺はその姿を、はー、と一緒に見る。
はー、は真剣な顔のまま崩そうとしなかった。
暫く何かを考える感じだ。
「.....長妻さんは昔からあんな性格なのかな?」
「知らんな。.....でも昔からああいう性格なのかもな。.....何かしてやらないとな」
「.....だね」
そんな感じで俺達は今度こそ帰宅する。
それから学校の門を出てから.....商店街に向かった。
何か食べ歩きでもしようという事になったのだ。
取り敢えずは甘味を探そうと思う。
醤油餅とかその様な辛いものの気分じゃ無かった。
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