第6話 うるっせぇ!
長妻はリビングで一緒に蝶と居た。
先輩。早く早く、と促してくる。
いやちょっと待て誰のせいだよ全く。
思いながら俺は朝食を食べる.....うん?
蝶の味ってこんな感じか?
何か味噌汁の鰹出汁が効いている気がする。
いつも、いりこ出汁だった気がするんだが.....鰹出汁では無く。
これは誰が作ったのだ?
「先輩。私が作りました」
「何?え?お前って料理出来んの?」
「本当に失礼ですね先輩。.....私を何だと思ってます?」
「いや。単なるアホかと」
「失礼ですねぇ!!!!!」
うん?アホじゃないのか。
それは意外だな。
思いながら目の前の卵料理とか見る。
スクランブルエッグだが.....出汁が効いている。
つまりご飯に合う感じだな。
そして色々なものが作られている。
おひたしとか。
うむ、良い奥さんになるんじゃないかこれ?
「うーん。お前がこんなに正直、料理が得意だとは思わなかった」
「私は成績面ではなかなかアホですけどこういうのは得意分野です」
「そうなんだな。家事とか?」
「家事全般ですね」
「.....ふむ。良い奥さんになりそうだなお前さんや」
はいぃ!?、とびっくりする長妻を苦笑して見てから蝶を見る。
そんな蝶は笑顔を浮かべながらニコニコしていた。
美味しい?、と言ってくる。
俺は、そうだな、と笑みを浮かべて見る。
「こんなに長妻さんが料理が得意だって思わなかった。驚きだね」
「.....そうだな.....ビックリだわ」
「アハハ!そんなにビックリしましたかね!嬉しいです!」
「.....朝っぱらから声がウルセェな.....」
俺は額に手を添えながら長妻を見る。
すると長妻は、ささ。早く食べましょう、と指示をしてくる。
俺は、何でお前が取り仕切ってんだよ、と顔を引き攣らせながらも食べ始める。
それから慌てて玄関を飛び出してから学校に向かう。
そうしていると目の前に、はー、が居るのに気が付いた。
「よお。はー」
「.....hぉあ!?」
「いや。何をそんなに驚いてんだ?」
「す、スマホ観ていたから。ゴメン」
「そうか。気が付かなかったんだな」
「だ.....ね」
はー、は俺を見てから長妻を見る。
長妻はニコニコしながら、はー、を見ていた。
俺はその姿を確認してから、はー、を見る。
歩きスマホは危ないぞ、と言いながら、であるが。
「そ、そうだね.....」
「.....?.....もしかしてお前さん何かあったのか?」
「.....な、何も無いよ。あはは。.....急ごう」
「?」
俺は首を傾げながらも。
時間が無かったのでその場はそれで話を終了してから駆け出す。
そしてギリギリになって登校する。
それから席に腰掛けてから外を見た。
「みーちゃん」
「.....どうした?はー」
「その.....うん.....えっと。あ。やっぱりいいや。ゴメン」
「.....?.....変な奴だな」
それから俺達は別れてからホームルームを受ける。
そして時間は過ぎて行くのだが.....何だか、はー、の姿が良く無い気配だった。
何かあったのだろうか、と思う。
そうしてから、はー、を見ていると。
はー、は何かを決心した様に立ち上がってから。
教室から出て行った。
何だろうか。
「.....」
まあでも追及は良く無いよな。
実際.....アイツが死んだ原因もそれが1つあるしな。
思いながら俺は外を見る。
そしてそのまま目を閉じる。
そうしてから開けてから目の前を見る。
「.....よし。頑張るか」
そんな事を言っていると視界が塞がった。
何だ?!、と思いながら居ると、誰でしょう?、と声がしてくる。
俺は、いや。何をしてんだ、と長妻に聞く。
すると長妻は、つまらんですなぁ、と苦笑いで向いてくる。
「.....もうちょっとリアクションが欲しいです」
「リアクションだ?.....お前な。.....リアクション出来るか」
「.....何でぇ。つまらん先輩ですなぁ」
「何だその言い方は。全く」
「まあ冗談は置いて。.....先輩」
俺に真剣な顔を向けてくる長妻。
その顔を見ながら?を浮かべる俺。
そして、どないした、と言う。
すると長妻は、デートのスポットを考えたいです、と言ってくる。
「デートのスポット?.....何故に?」
「だって楽しみでしょうがないんですもの」
「.....気持ちは分からんでもないが.....今はそんな事を考えている余裕が無い」
「それは中間考査の問題ですか?」
「そうだ」
「テキトーにやっとけば良いのでは?」
いやお前。
馬鹿野郎かコイツは。
思いながらジト目で長妻を見る。
そういう訳にはいかない、と答えた。
そして、また後でな、とそのまま追い返す。
すると、先輩のどあほー!!!!!、と廊下から長妻の絶叫の声がした。
でも今は学生の身分なんだからな、と思う。
っていうか誰がドアホだよオイ。
みんな何かビックリしているからな。
良い加減にせえ。
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