第113話 SS01 再始動 【告知あり】
文末に告知があります!
SSは読まなくても本編理解に支障はありませんので、お好みの話だけお読みいただければ幸いです。
◇◆◇◆◇◆◇
――『断空の剣』とのケリがついた翌朝。
目を覚ました俺は、宿のベッドに横たわっていた。
胸の上では、ヨダレを垂らしたエムピーがすぅすぅと寝息を立てている。
昨夜は興奮していたが、寝て起きてみれば、思いの外、穏やかな気持ちだった。
憑き物が落ちた――そんな感じだ。
エムピーとリンカがいて良かった。
俺一人だったら、復讐が終わって満足してしまったかもしれない。
だが、二人がいるから、俺は始められる。
新しい冒険を。
【魔力貸与】は人を破滅させるだけではない。
誰かを幸せにする力がある。
――要は使い方だ。
使い方次第で、不幸にも幸せにもできる。
武器と同じだ。
武器は誰かを傷つけることも、誰かを守ることもできる。
俺は【魔力貸与】という武器で戦っていく。
それだけだ――。
感謝の気持を込めて、エムピーの髪を撫でる。
「むにゃ、もう食べられないです~」
いつもと変わりないエムピーに、思わず噴き出してしまう。
「んん~」
そのせいで、エムピーを起こしてしまった。
寝ぼけまなこをこすりながら、エムピーは言う。
「マスター、おはようございます~。今日もガンガン取り立てです~」
「おはよう」
ガイたちは昨日で冒険者としての人生が終わった。
だが、取り立てはまだまだ終わらない。
奴らからは死ぬまで絞り取り続ける。
ただ、俺にとっては、もう、どうでもいいことだ。
それよりも、二人とのこれからが――。
――コンコンコン。
軽やかなノックの音。
俺はベッドから降り、ドアを開ける。
「レントさん、おはようございますっ!」
「おはよう、リンカ」
空色のポニーテール。
緋色の着物に、鉄紺色の袴姿。
装備を整えたリンカが、とびっきりの笑顔を見せる。
視線を交わし、ともにうなずく。
リンカはクアッド・スケルトンに打ち勝った。
俺はガイたちとの関係を終わらせた。
二人とも過去とは決別した。
今日から、新しい冒険の始まりだ。
「支度するよ。今日は第5階層を目指そう」
「はいっ!」
「エムピーも頑張るですっ!」
さあ、歩き始めよう!
◇◆◇◆◇◆◇
【告知】
この度、本作品が第10回ネット小説大賞でコミックシナリオ賞を受賞し、フレックスコミックス社よりコミカライズされることになりました。
これもひとえに、ご支援いただいた皆様のおかげです。
ありがとうございましたm(_ _)m
しばらく先の話になりますが、詳細が定まり次第、近況ノート及びtwitterでお知らせしますので、フォローよろしくお願いしますm(_ _)m
https://twitter.com/MasakichiNovels
@MasakichiNovels
本作の今後ですが、SSをいくつか書きながら、第2部の構想を考えていこうと思います。
こちらもお待たせすることになりますが、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
◇◆◇◆◇◆◇
【宣伝】
本作品以外にも、現在3作品を連載中です。
こちらも是非、お楽しみ下さい!
『【HJ小説大賞受賞】勇者パーティーを追放された精霊術士 〜不遇職が力を授かり覚醒。俺にしか見えない精霊を使役して、五大ダンジョン制覇をいちからやり直し。幼馴染に裏切られた俺は真の仲間たちと出会う〜』
追放パーティーをやり過ぎなくらい徹底的にざまぁする
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『見掛け倒しのガチムチコミュ障門番リストラされて冒険者になる 〜15年間突っ立ってるだけの間ヒマだったので魔力操作していたら魔力9999に。スタンピードで騎士団壊滅状態らしいけど大丈夫?〜』
ガチムチだけど剣は使えない。でも、魔法は規格外。そして、コミュ障。
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追放された伯爵息子の辺境領地開拓!
内政チート、イチャイチャ、主人公最強をメインに、たまに、真面目な話もしたり、しなかったり。
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