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「うーん。そう言われるとそうかも」

そして、

「なら調査しよっか!」

「え?調査?」

「うん。ちょうど良くさ、俺の知り合いに探偵の人がいるんだよねー。浮気してるなら証拠押さえて離婚すれば、慰謝料も凄いもらえるよ。旦那の職業上、世間体もあるから大事にせず通常より多くもらえると思うんだよね」

そんなツバサの言葉に、真由の顔がどんどん笑顔になっていく

「そっかー。そうすれば、慰謝料いっぱい貰えて離婚できる!そしたら...

ね?ツバサ!」

はっきりとは言わないが何を言おうとしてるか分かる

「もちろんだよ真由。分かってる!」

そう言いキスをした

「けど、俺らの関係がバレたら終わりだからな。今後は、連絡も徹底するぞ」

そんなツバサからの言葉に

笑顔だった真由も少し真顔になり

「うん。分かった」

と、了承してくれた

「よし!なら知り合いの探偵に連絡してみるよ。やるなら早い方が良いからね」

そう言ってすぐさま携帯で翔に電話をかけた

「おつかれ様です。ツバサです。シンさんから聞いてると思いますが———————」

打ち合わせ通り、翔を真由に紹介する

念のためテレビ電話で顔を合わせ、調査の説明まで済ました


「では、準備もありますので3日後から調査させてもらいます。たまに旦那さんの行動等聞くことがあるとは思いますので電話番号は登録しておいてください。宜しくお願いします」

最後に翔が挨拶をして電話が終わった

すると真由がツバサに抱きつく

「ありがとうツバサ!いろいろ協力してくれて。本当大好きだよ」

ちょっと自分を溺愛しすぎて、心配になるツバサ

「あ、うん。俺もだよ真由。んじゃ、そろそろ帰ろうか」

結局ツバサ達はもう一戦して帰った



〜シンside〜

シンは少し緊張していた

喧嘩とは違い、お互いが演技しながら倒し倒される

経験のない仕事に、少し不安があった

「社長!みんな集まりました」

隣にいた一条がシンに言う

目の前にいるのは、暴れ役の菊地、深谷、そして双子の飯島兄弟の4人だ

この4人は、うちの会社である『(株)セキュア』のトップ達だ

菊池がその中で1番強く体が大きい

2番目の深谷は体格は一般人くらいで痩せ型だが、空手や合気道など格闘技のスペシャリスト

3番4番の飯島兄弟は格闘技より喧嘩が得意

勝つためには無慈悲で何でもやる

基本4人は個人でグループを作って働いているため

全員集まることは全体の会議があるときくらいで珍しい

「「「「お疲れ様です。社長」」」」

4人が挨拶をする

「おつかれさん!いよいよ今日やる。聞いた話しじゃ向こうもだいぶ強いらしいがお前らなら大丈夫だ。問題は俺らが上手くやれるかだな」

そうシンが言うと菊池が

「いや社長!あんだけ練習したんですから問題ないです」

続いて深谷も

「本当そうですよ。もう最悪は社長が本気で俺らをボコって良いですから」

その言葉に飯島兄弟も賛同する

「それ良いですね!誰も社長には敵わないから、バレそうになったらそうしてくださいよ。なあ兄貴?」

「お願いします社長」

4人の言葉を聞いて納得するシン

「それもそうだな。怪我したら労災にしといてやる。まあ手加減はするがな...」


一条はこのやり取りを聞いていて会社の幹部4人は本当に社長を崇拝しているように感じた

出会いは最悪だったと聞いたが...、いつか詳しく聞いてみたいな


なんだかんだ少し話して

「じゃあ先に俺らは行く。連絡を入れるからそしたら客として入ってこい」

そうシンが言い、一条と外で待っている部下2人の計4人でターゲットの店『ウィンド』へ向かった

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