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2時間が過ぎたころ

2人が話しているとシンの携帯が鳴る

「おっ!LINEだ。あーツバサからだ。...兄貴!嫁の真由は落とせたみたいです。ツバサもうホテルまでいったそうです」

「さすがだな。良くやった!後は滝沢の方か」

ツバサからの連絡で2人は気分が良くなる

「アカとアオの方も、そろそろ結果は出てるはずですね。ちょっと電話してみます」

このとき時間はすでに12時を回っていた

シンは10分ほど外で電話をし、少し微妙な顔をして戻ってきた

「どうだった?」

さすが気になるのかすぐに聞く翔

「大丈夫です。滝沢の方も上手くいきました...。ただ、結構高くふっかけられたようです」

「そうか。まあ、金ならどうとでもなるから大丈夫だ。いくらだ?」

翔の言葉にシンは控えめに言う

「えーっと...、金じゃなくて...

自分の店が欲しいそうです。すいません!交渉したんですが滝沢が来る時間になってしまって......アオが了承しちゃいました」

まったく予想外の要求に翔は驚く

そんな翔の顔を見てシンは頭をポリポリかきながら顔に手をやる

「す、すいません。自分の店って言うのも、雇われとかでも良いから自分がプロデュースした店を出したいようです」

少し考えた翔だが

「あ...ああ。まー、しょうがない...か。

良くやった。1日で2人を落とせたのは上出来だ」

店のことは後で考えるとして今は良い報告に満足することにした翔

それを聞いてシンもひとまずホッとする

「えーと、そのキャバ嬢ですが、本名は源氏名と同じで唯(ゆい)って言うそうです。唯の要求を飲む条件で、滝沢と数ヶ月は付き合ってもらえます。この後はどうします?」

前は、ここまでの計画しか説明していなかったため翔は続きを話す

「この後は俺が滝沢を合法的にストーカー出来る様にする」

「ストーカーですか?」

っとシンが首を傾げる

「ああ。まずツバサが嫁の真由に旦那の浮気をほのめかす。旦那はキャバ嬢の唯と付き合っているから怪しいのはすぐに分かる。ツバサが浮気調査を進め、俺の探偵事務所を紹介させる。それプラス、真由に滝沢の行動や情報を教えてもらう」

そこで一息入れる翔

「ふー。。そうすれば俺が滝沢を堂々と調べれる!だいぶ遠回りだが、滝沢は監察官という重要な位置にいるだけあって結構政治家にマークされている。こうでもしないと自然に近づけないんだ」

長い説明にシンは納得し、改めて翔の凄さを知った

「はぁー。さすがっすね!だから探偵事務所を作ったんすか。そこまで考えてるとは」

そんなこんなで

計画が順調?に進んでいることに2人は安心した


1週間後

ツバサside

「ま、まゆ!イキそう!」

真由の上で情けない声をだすツバサ


「うっ...気持ちいいよツバサ!全部出して!」


甘い時間を過ごしたツバサと真由はホテルのベッドで横になる

「真由?そこのタバコ取って?」

「はいどうぞ。うちも1本もらうね」

「はいよ。そういえばさ旦那とは上手くやってるの?たしかー何かの監察官だっけ?」

2人でタバコに火をつけながらソファーに腰掛ける

「そうそう。政治家の監察官。まあ給料がめっちゃ良いからお金のために上手くやってあげてる。...本当はツバサと一緒になりたいんだけどねー」

ちらっとツバサを見て上目使いをしてくるが

気づかないふりをする

「ああ。そうだよねー。真由と毎日一緒に居たいよ」

心では全く思ってない事をスラスラ言うツバサ

「でも、毎日俺と会ってるってこと怪しまれないの?」

「ううん。ぜーんぜん。向こうも仕事とか言って毎晩遅いしマジ暇すぎるから大丈夫」

上手く話を持っていきたいツバサ

「マジ?...でもたしか、監察官ってほとんど残業ないはずだよ。公務員だしっ...って友達から聞いたことあるんだけど」

ちょっと無理あったかと思ったが

「え?そうなの?でも本当、ここ1週間くらい毎日遅いんだよね。何かトラブルじゃないかな...」

1週間前からと言えばキャバ嬢の唯と付き合い始めたころ!

チャンスと思い一気に畳み掛けるツバサ

「いやいや監察官に大したトラブルなんてないでしょ。ってか怪しくない?...浮気とか?

そうだよ浮気してるんじゃないの?...何か心当たりとかない?」

無理矢理だが話しを持っていく

だが実際に浮気はしてる

しかも人は心当たりを聞かれると、どんな些細な事も怪しく感じる

何にも無くても、小さいことを勝手に結びつけ想像してくれる

だから真由も

「...うわ、き?あの人が。いや、そう思うと最近帰ってきてもお風呂に入らなかったり、

携帯をずっと持ってたり...」

その言葉を待ってましたと言わんばかりに

「そうだよ。それ絶対怪しいって!多分、彼女とホテルにでも居て、お風呂に入ってから帰って来てるんでしょ!」

そうツバサが言うと、ちょっと考えこむ真由

一度、想像してしまえば証拠がないかぎり全てが怪しく感じる


ツバサは、よしっと心の中で思った

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