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クラブに入ると爆音の音楽が耳を刺激する
ここのクラブセキュリティは、シンの会社ではないため初めて入る
そのためまず、規模や部屋の配置等を確認する
中央のホールには人がごった返しており、大勢が踊っている
一条からもらった情報で真由を探すが、人が多くなかなか見つからない
すると隣にいたツバサが先に見つける
「あー、あれかな。...いた!シンさんあれじゃないすか?」
そうツバサが指差す先には、クラブの端で呑みかけのスミノフを持った女がつまらなそう立っていた
「あー、あれだな。けど...、なんかつまんなそうだな。クラブ好きじゃなかったか?」
確かに、ただボーッと突っ立ってるだけに見えた
上は派手な柄のTシャツに下はショーパンだけのラフな格好
黒髪じゃなければ完全にギャルだ
ただ近くまで行くと分かるが、化粧が異様に濃い
三十路手前で衰えが出て来たのか、もしくは整形でもしたのか周りに比べると綺麗とは言えない
いや、29歳でこの顔なら綺麗でモテるはず
だが、クラブに来るのは基本20前後が
真由は、この空間では浮いてしまっていた
「シンさん、あれは可哀想ですね。20くらいの時はチヤホヤされてモテてたでしょうが、あの歳じゃ無理です。普通の街中で見れば十分可愛いですが、ここじゃナンパもまずされませんよ」
ツバサの言葉に納得するシンはニヤッと笑う
「お前の方が分かることもあるのな?
まー、クラブに通うのは少しでも構ってもらいたいからってことか」
そうシンが言うとツバサからも笑みが出る
「だからこそ、楽に落とせるかもしれませんね」
とニヤつくツバサにシンは
「ああ、お前が構ってやれば良いだけだ。需要と供給だな。
よし。もう俺は必要ねー。後は頼むぞツバサ」
役目を終えたシンはそう言った後、出口の方に歩いていく
「後は任せてください。終わり次第、LINE入れますね」
そしてシンとツバサは別れた
そこからのツバサの流れはスムーズだった
壁に付いている鏡で少し髪型を整えターゲットの方へ向かう
「つまらない?」
女の横に立ち同じ方向をみながら声をかけた
急な声でビクッとしてツバサの方を向く
ツバサも女の方へ顔を向けて話す
「ごめん。驚かせるつもりはなくて、ただ可愛い子がつまらなそうにしてたから声かけただけ...」
ニコっと無邪気に笑いながら話しかけてきたツバサに対して安心したのか、女が笑う
そこからツバサと女は早かった
「良かった。笑ってくれた!あーでもナンパとかそんな軽いもんじゃないから」
「あはは、どっからどうみても絶対ナンパじゃん!」
「いやいや普通に声をかけただけですよお姉さん。ってかつまんないなら別のとこで呑まない?近くに良いBARがあるんだ」
「はは。名前も知らないのに展開早すぎ。まあでも良いよ。君かっこいいし。いこ!」
「あはは!名前忘れてたね。俺はツバサ。君は?」
「うちは真由。本当に...うちのことタイプなの?」
「あーまあね!ってかこんななりで恥ずかしいけど、めっちゃ可愛いよ...。
と、とりあえず出よっか!」
久しぶりにそんな言葉をかけられ、相当嬉しかったのか終始笑顔の真由と演技派のシンはクラブを出て夜の街に消えてった
〜2時間後〜
とあるホテルのベッドの上
真由を抱きしめながらタバコを吸うツバサ
その咥えられたタバコを取って、キスをする真由
2人で1本のタバコを吸いながら何度かキスをする
完全にツバサに落ちた真由は幸せな表情をする
「はぁー。こんな気持ち良かったのは初めてだよ真由。相性が良いんだな!」
男がヤッた女に絶対言ってそうなテンプレの言葉にも
「あぁツバサ!本当、うちも凄い気持ち良かった。幸せ」
全て真実だと受け入れてしまうほどハマったようだ
ツバサはトイレでメッセージを入れる
『お疲れ様です社長。無事、落としました。
しばらくは付き合いますので何かあれば連絡よろしくです』
そうLINEをシンに送りベッドに戻った...
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