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その後は、組員に事の顛末を聞き
オヤジを刺したのは本千歳組だと知る
その日から翔は復讐のために生きるーー。
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2人はシンの家である駅前のタワーマンションに帰ってきた
ソファに座り、そんな過去をシンにゆっくりと話した翔は
深く息を吐いた
「俺も色々あったけど...やっぱり兄貴もエグい過去もってますね」
ボソッと発するシンの声は、翔に届いているのか分からないくらい小さかった
だが翔の声のトーンが急に上がる
「まあ、あれからお前に出会って仲間になって、仕事したりと楽しいこともあったけどな」
「ありがとうございます!ただ兄貴と出会ったときは俺死にそうでしたけどね...
そういえば、その松組の組員とはどうなったんすか?」
「あー。オヤジが死んで、本千歳組を襲撃したらしいけど...何人か死んで、また何人かは捕まったようだ。
あれ以降、家出するように俺はすぐ出てったからよく分からねーが......」
2人の話は続く
「んでシン。そろそろ動くぞ!」
翔の瞳はしっかりとシンを見てる
そしてシンのほうも翔を見る
「やっとですね!......俺にとっても本ヤには、
復讐しねえといけないやつがいるんでーーー」
シンの目がよりいっそう鋭くなる
翔は今後の計画をシンに話し始めた。
「まずは探偵事務所を開業する」
予想にしないことをさらっと言う翔に、最初から驚きの表情を見せる
「探偵自体は公安委員に書類を出すくらいで開業できるからさほど難しくない」
と翔
「へー、そうなんすね。でも探偵になって何するんすか?」
「『政治家専門の監察官』そいつに近づくためだ。
俺達の目的は、この日本を支配している警察と政治家のまとめ機関【PPC】だ。
そのためにまずは少しずつ敵を崩していきたい…」
現在、日本の裏はPPCと言う機関が仕切っている
その機関のための日本であって
奴らは何をしても罰を受けない
ただ、普通に暮らしている人達は何も知らない
警察は守る側、暴力団は奪う側、政治家は正す側
全て一つで繋がっているのに知られていない
そんな日本を、2人で潰そうとしている
少し間を置いて翔が続きを話す
「監察官の中に、滝沢と言うやつがいる。
そいつは38歳で、29の嫁がいる。
滝沢には女を使い不倫させ、嫁の方にも男を作らせる」
タバコに火をつける翔
「シン!お前の部下に茶髪でチャラそうなツバサってやつがいたよな?あいつを使わせろ」
シンは17の時、暴走族の総長していた
喧嘩は強く、カッコいい
さらに人を惹きつける魅力がある
族を辞めてからも、そのカリスマ性に惹かれた数多の若者がシンのそばに居ようとする
正式にチームや集団としては動いてはなかったシンたちは
翔によって1年前に会社を作った
スナックやクラブなどのセキュリティ(用心棒)会社
ほとんどが、格闘技経験者で喧嘩も強い
そこらへんのヤンキーなんか子供に見えるほどで、シンよりもガタイが良いのも多くいる
そんや奴らがなぜシンに従うのか...
それを束ねるシンは、さらに化物だからだ
「あー、ツバサっすか?いいっすけど、もっとオシャレでかっこいいやつもいますよ?」
シンもタバコを吸い始める
「いや、俺の情報によれば滝沢の嫁はギャル男みたいなのがタイプらしい。
昔は派手にやってた女だが、金目当てで官僚と結婚したみたいだな」
「はは、バカな女だな。滝沢の方はどうします?知り合いに女は結構いるから用意しますよ」
知り合いと言うかお前に惚れてるだけだろーがっ...と思う翔だが口には出さない
「いや、滝沢は少し厄介だが…行きつけのキャバクラにお気に入りの嬢がいるらしい。
面倒だが、その女にやらせる。お前の知り合いのホストを使って女を落とすか、金で従えるかだが...」
「キャバ嬢を落とすなら俺がやってもいいですよ。いつもどおり口説いて言うこと聞かせりゃいいんすよね?」
「ああ、それに越したことはないんだが…
シンにはやってもらいたい仕事がある。だから女は金で従えようかと思ってる」
「おー、珍しいっすね。了解です。もちろんなんでもやりますよ!」
翔がシン個人に頼むのは珍しい
だいたいの頼みは部下達がこなせるためシンは動かない
基本シンは、喧嘩の弱い翔のためにガードマンとして常に近くにいる
シン自ら動くと言うことは、それだけ重要なことだとシン自身も分かっている
だからこそ久しぶりの頼みに少し嬉しそうに了承した
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