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ぁ...にき...なあ......

「あにき、なぁ兄貴!おい翔(カケル)」


ハッと、目を開けると目の前に銀髪の男が呼びかけてくる


「あー、シンか」

シンと呼ばれた男は

身長190ほどあり、堅いは良く、銀色の短髪でイケメン

男の俺から見てもカッコよく強そうだ

そんなシンが、不安そうに見てくる


対する翔(カケル)は170そこそこの高さで痩せている

髪は黒く少し長めで女みたいな顔立ち

ただこちらも綺麗系なイケメンのようだ




いつの間にかタバコは、根元まで灰になっていた

「悪い、少し昔を思い出してた」

ぼーっとした頭のせいで現状を思い出すまで時間がかかる


とあるアパートの一室

1Kしかない小さな部屋で

椅子に座る俺と、そばに立つシンという男

2人の前には手足を縛られた血だらけの30過ぎの男性が倒れている



あー思い出してきた...



そしてタバコを捨て銃を持つ

「喋るか死ぬか、どっちか選べ」

銃口を向け、そう切り出す

近くに居る銀髪の男、シンも続けてのってくる

「そろそろ言っちまえよー。ホントは知ってんだろ?

マジいい加減にしねーと殺しちゃうよ?」

と血だらけの男に向かって物騒なことを言う


すると相手は

「お、おれは何も知らない。本当だ!信じてくれ。本組のヤクザなんて知らないんだ。

そもそもヤクザに本組とハグレ組があることさえ初めて聞いた。

何度も言ってるが信じてくれ。援交の斡旋をしてたのは謝る。

どうか命だけは助けてくれ。


金ならいくらでも渡すから」


※本組ヤクザ、通称:【本ヤ】

警察がヤクザを支配・経営・操作する

いわゆる警察配下のヤクザである


※はぐれヤクザ、通称:【ハ組】

どこにも属さない、昔からのヤクザ

数は少ないが誰にも屈さない人情ヤクザ




「はぁー... 分かった。信じよう」

多分こいつは何も知らないだろう

そう結論づける


「あ....ありがとう。金はいくらでもやる。」

安堵の表情見せる男



パン!!


乾いた音が鳴り男は倒れる。


「兄貴、助けるんじゃなかったの?」

驚くシンに


「誰も、助けるとは言ってないよ。信じただけ。

もちろん金はもらうけどな」

そう言って、すでに空いている金庫から金を抜き取り部屋から出ていく。



「そりゃそうだw

でも兄貴も鬼っすね!たかが援交を斡旋しただけで殺すことはねえんじゃないすか?」

そう呟き、兄貴と呼ぶ男の後を追いかけるシン


それに対し悪態をつく翔

「ハッ...援交グループを潰すために自分に惚れてる女を送り込んで仕事させてた奴に言われたかねえよ!」


そうお互いに毒付く

アパートを出ると、朝日がちょうど出てくる時間だった

結局、一晩中尋問してたようだ

朝日を浴びながら渋谷の街を歩く



ふとシンが呟く

「そういや、兄貴と出会ったのもこんな朝早い日でしたね」



「あー、そうだったな。あれからもう2年か。早いな」

タバコに火をつけながら答える翔



「あの時の俺は、バカやってましたね」

っと苦笑いするシンは続ける

「ねえ兄貴?俺と出会う前に育ての親が殺されたって前に言ってましたよね?

未だに気になるんですが、兄貴は小さい頃どんな人生だったんすか?」


その問いに翔はタバコを地面に捨て、足で踏みながら

「そういえば、話してなかったか。

まーこれからのこともあるし教えてやるよ!

過去と今からの計画を...」

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