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保護された数日後


市が開いた父親の葬式

僕は役所の人と一緒に椅子に座っていた

役所の人が席を立ち1人になると



そこに怖そうな男が僕の前に立った

身長は高く、顔は傷だらけ

いかにもそっち系の人だ


その男はしゃがみこみ喋り始める

「おいガキ!お前の父親はなー。はっきり言ってクズだった。金も返さねえで酒とギャンブルばかり。

結局、自分の嫁も捨ててお前も捨てて飛ぼうとした、どうしよーもねーゴミクズだ。

だからなあ、

俺が殺した...」

僕の目を見てそう言った


「俺が憎いか?」

続け様に男が問いかける

不思議と嫌な人ではないように感じる翔


正直、憎いのは父親だった人だ

そいつが死んだと聞いてホッとしたんだ


「ううん...」

何か言おうとして、とっさに出たのは



「...ありがとう」

お礼だった



「あぁ?...は、はは...ありがとうかよ」

唐突な言葉に男は驚いた


だが、数秒考えニヤッと笑いこう切り出した



「なあガキ。...俺と一緒に来ないか?

俺が育ててやる!

俺が...、お前の本当の父親になってやるよ!」


そんな言葉に、翔はすぐに答えが出た




そしてその日から

新しいオヤジができた。

新しい家族ができた。

傷だらけで怖そうだけど、なんか安心できる感じがする



いつか母親に会える日まで

僕はこの人についていく



その後は

いろいろ手続きやらで時間はかかったが

無事、新しい家に住める日がくる



あ、にき...

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