輪切り魚卵の夢の後
四肢を切り落とされる夢を見ました。
丸い緑のベレー帽みたいなのを被った私はどこかの宮殿の使用人。綿の衣の長い裾をはためかせて、あっちへ行ったり、そっちに行ったり。
そんな中、三階の廊下を通ったとき。びゅんっと黒い影が飛び出してきました。手すりの向こう、玄関ホールの吹き抜けから。影の手元でキラッと鈍く何か光ったかと思うと、私の手足は輪切りになってしまっていました。
切り離された私の肉。
でも、それは見るからにもう知らない肉で、血も噴き出さなきゃ、骨もない。まるで上等なウインナーを切ったような。
いや、もっと言うなら、大きな魚卵。茹でたタラコの切り口みたいに、ぷりっと弾けそうな断面でした。
とはいえ、これは夢には違いなく、私はパッチリ目を覚まします。寝起きの頭もほどよくスッキリしてました。
でも、立ち上がって、足を踏み出すと、弾けるみたいに四肢が魚卵に。ボトボト落ちる切れた魚卵。私は頬から床に落ちました。叩きつけるみたいにまっすぐに。
気がつけば、冷たく硬い自室の床。しぶしぶ身体を起こします。手足はちゃんと私のでした。
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