第4話 けじめ
アカネの告白を断って、家に帰った。
田中ひかりさんの告白の前に、先に告白されたアカネに返事をするのが、マナーだと思った。
あともう一つ問題がある。こっちの問題はかなり厄介だ。どうやって解決すればいいんだ。
これじゃ、ぼくが直樹の彼女を横取りしたみたいだ。
友情を選ぶか、彼女を選ぶか。
そんなの彼女を選ぶに決まってるけど。迷うはずない。
明日、直樹に、元カノに告白して、たぶん告白は成功するから、付き合うことになるって言おう。なんで、成功するのかわかるんだって、
問い詰められたら、厄介だけど、言えないよな。初めから勘違いだった、彼女は、直樹のことなんて、まったく好きではなかったなんて、さすがに残酷すぎる。
翌日の朝。
学校で、ホームルーム前の自由時間に、直樹に話しかけた。
「おれ、今日、田中ひかりさんに、告白するわ。悪いけど、多分付き合うことになると思う。」
「もう振られて、別れたんだし、関係ない。
勝手にしろ。でも、なんで、ひかりと付き合えるって思ってるんだ。好きなひとがいるって言われて振られたぞ。まさか、おまえが、その好きなひとなのか。どういうことだ。」
直樹が、ひかりさんの名前を呼び捨てで呼ぶことに、イラッときた。ぼくでも、まだ呼び捨てでは、呼んだりしてないのに。
「多分、そう言うことだ。悪い、詳しいことは言えない。」
イラッときたから、お前と一緒の写真をひかりさんに送ったら、間違えちゃったみたいだぞって、喉まででそうになったけど、堪えた。
世の中には、知らないほうがいいことって言うのがある。直樹は、舞い上がって、彼女との話を自慢しまくってたけど、品性を疑ってしまう。それは、やっちゃダメな言動だ。だから、モテないんだよ。ばぁか、って、心の中に押しとどめた。
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