第2話 炎に憧れた金糸雀

それからしばらくして、今度は赤い金糸雀が言いました。

「私はいつか、あの暖炉で燃える炎を近くで見てみたい。私よりも輝く赤を間近に見たいんだ。」


色の無い金糸雀は止めました。

「でも、火っていうものは僕たちの羽根を焼き尽くしてしまうんだろ?巻き込まれたら、きっと死んでしまうよ。」


それでもやはり、赤い金糸雀は炎への憧れを捨てきれませんでした。


ある時、赤い金糸雀は檻の格子が歪んで広がっていることに気づき、こっそり下に降りることにしました。


初めて近くで見る暖炉の火、パチパチと薪の燃える音、火の温かさ、炎の優しいゆらめき…


炎があまりにも美しく、宝石のように見えた金糸雀は、思わず一歩 前に踏み出してしまいました。


赤い金糸雀は、輝く赤の中に吸い込まれてしまいました。

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