131 その16 ~遠い地からの侵略 その4~
新大陸から迎撃されたのがレッサードラゴンの子で、隷属魔法が掛かってたので
※読者しかわかりませんが(ザックたちが知る由も無いということ)、敵は「神聖ドラゴニア帝国」という名前の国家…ということが判明。どうやらドラゴンを隷属させて版図を広げる攻勢国家らしいDEATHが…きな臭過ぎるw(ミラシア大陸の魔族に対抗か?)
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- ザックサイド -
「あれ?」
さっきまで感じていた気配が唐突に消失する。気配というのは…先程襲撃して来たレッサードラゴン(スカイドラゴン?)である。100kmもの先に居るのに1回接触しただけで気配を覚えられるというのは…ザックくん異常過ぎるw
「マスター、どうしました?」
ナルが何だろう?…と訊くと、
「…さっきの子竜の気配が消えた。恐らく…」
返り討ちに遭ったんだろう…という言葉を飲み込むザック。つまり、隷属は本人(竜?)の同意ではなく強制的に施されたということ。そしてその恨みを返しに戻り、恐らくは一撃で斃されたということ…
「子供とはいえ…あのガタイの竜を返り討ちって…どんだけ強いのが居るのよ!?」
シャーリーが狼狽えてイヤイヤをするように後退る。空中で相変わらず器用な…と思っていると、ビクン!…とシャーリーが静止する。
「…マスター。悪い報告があるんだけど…」
「またドラゴンか?」
シャーリーが更に青褪めた顔でこちらを見詰めている。
「…後10秒で魔法弾が直撃」
するわ、というが早いか外洋船の警戒網に魔力弾が引っ掛かり、警報が鳴り響く。
ずがーん!
ずがーん!
攻撃に合わせて魔力障壁が形成されるが、完全に構築する前に弾け飛ぶ魔法障壁。仕方なくザックは最内部の障壁を張るように無言指定し、それに合わせて強化処置を施す…とはいえ、魔力を這わせて障壁の構造を強化するくらいしかできないのだが(魔法攻撃向けの巨大な障壁は構築した経験が無い為)
・
・
「…」
「見えました…」
「こちらも視認した」
飛来する魔力弾(無属性の魔力の塊をエネルギー弾として発射する…一般的にはマジックバレットと呼ばれる初歩攻撃魔法)が何発かこちらに向かって来るのが見える。既に500m程先から10m置きの魔法障壁を砕かれているが、第1陣はそれで何とか防げたようだ。だが…
「第2陣ですかね?」
「…本当に100kmも離れてるのか?」
通常、初歩攻撃魔法であるマジックバレットは100kmも射程距離は無いし構築途中とはいえ、魔法障壁を破壊する程の破壊力は無い筈。
「…人や魔物の魔力は感じられませんね」
「どちらかといえば…先程のドラゴンの…竜種の魔力に近い?」
ドラゴンの放つ攻撃魔法も100kmもの射程は無い。どちらかといえば有視界戦闘向けの攻撃魔法しか所持してないからだ。強力な収束型のドラゴンブレスならば、余波で数km先の構造物を吹き飛ばす型破りな個体も居るかも知れないが…マジックバレットが飛来して来ている以上、ブレス攻撃ではないだろう。
ガキィ~ン!!
ゴキィ~ン!!
ガイ~ンッ!
3連発の超長距離マジックバレット弾は全て、ザックの補強した魔法障壁に防がれた。反発する音からして、まだ余裕はありそうだが…念の為、再び魔力を補充して綻びの補強と持続時間の延長を図る。
・
・
これ以上接近するのは不味いだろう…という訳で、洋上で停泊したまま…様子を見ることにした。結果、続けて3回の攻撃が飛来し…当然ながら全て弾き飛ばしたので損害はMPポーションくらいで済んだ。
「あ~疲れた。もう面倒だから場所移動しようよ…船に隠蔽掛けとくからさ…」
これ以上攻撃されたら眠い程疲れてるから堪らん!…ということで、船はゆっくりと大陸に対して右に90度回頭して移動を始める。無論、肉眼でも魔法的にも隠蔽を掛けてからだ…風向きに対してやや逆らう方向の為、帆を降ろして水属性魔術を使えるゴーレム娘たちがこの世界にないハイパーテクノロジーを駆使して推進力を得ているのだ…
※所謂ジェット水流推進って奴(船底に給水口と排水口があり、その間の水流を水属性魔術を用いて(以下略))←知ってる人なら想像は付くだろうと思うのでw
- 新大陸サイド -
「あれから何度か攻撃したが…いい加減沈んだろう?」
「いえ…健在のようで…なっ!?」
「どうした?」
「…消失しました」
「ようやく沈んだか…」
「いえ…沈んだというよりは…」
「木っ端微塵に吹き飛んだのか?」
「いえいえ…突然消え失せた…といった感じですね」
「消え失せた?…こちらの監視魔法は隠蔽魔法を見通せない程に使えないのか?」
「いえ!…まさか…その筈は無いのですが…」
実際、国一番の隠蔽魔法使いを招いて隠蔽魔法を至近距離で使って貰い、肉眼でも消えたように見える程の使い手の筈だが監視魔法の魔導具からは丸見えだった。軍事機密であった為、その隠蔽魔法使いはその後で処分されたのだが…あの時は確かに目に見えてない魔法使いはこの魔導具でははっきりと確認が取れていた。
「至近距離、10km先…最大距離の100kmであっても同様に看破していました…この目で確認しております!」
「では…最後に放った10発の魔法弾で消し飛んだ…そういうことではないのか?」
「そう…考えるのが普通、ですね…」
「うむ…敵は魔法弾10発で消し飛んだ…そう上に報告しておけ」
「…はっ」
まだモヤっとする副隊長だが、これ以上はサービス残業となる故、一礼を拝してから隊長の部屋を後にするのだった…壁?…夜風が涼しいので特に文句はいわれなかったようだ。修繕は明日の昼頃を予定しているらしい。
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なんだかなぁ…
備考:ドローンも偵察のドラゴンも居ないのでこうなるっていう例w
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