一年後



今日は陽葵との結婚式。

地元の千葉で挙げることにした。

友達やら家族やら呼んでたくさん祝ってもらう予定。

今は花嫁である陽葵の到着を待っている状態だ。



しばらくしたら、ウェディングドレスに着替えた陽葵が案内されてきた。


「に、似合う?」


照れ顔で聞いてきた。

可愛すぎて思考停止してしまって反応が遅れてしまった。

「…。」

「可愛い…。可愛すぎて失神しそう。」


「そんなこと言って…///。蒼もかっこいいよ。」


「あ、ありがと//」


『まもなく新郎新婦の入場です。』



「いこ。陽葵。」


「うん。」


俺は陽葵と腕を組んで歩き出した。

周りを見渡すと家族や中高の同級生もいる。

その時、一年前に見た夢の記憶がフレッシュバックした。

一年前、俺が告白する決心をするきっかけだった夢はこんな景色だった。

陽葵の方を見ると俺に向けて幸せそうな顔でこちらに微笑みかけてくる。

これも夢と一緒で。

つまり俺が見た夢は未来の俺と陽葵が結婚した夢だったと言うことだ。


だとしたらあのへんに…


その場所に不自然に誰もいない空間があった。


俺は確信した。あれは予知夢だったと。


だから俺はその場所に向かって夢と同じように笑ってやった。


「どーしたの?蒼」


「なんでもない」


陽葵の質問にそう返して、視線を戻す。


ここまで来いよ。  俺

迷わずに、捻くれずに、真っ直ぐに進んでこい。

そこには幸せが待ってる。


白い梅が入っている花束を思いっきり青空に投げた。


[完]


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メトロ 白梅 @hakubai_210

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