「やっと見つけた…」


声が聞こえた。あいつの声だ。

こんな、目がパンパンに腫れた顔見せられないよ…。

私は少し早歩きをして逃げようとした。


「お、おい。待てよ。」


彼も私に合わせようとして歩調を合わしてくる。


無機質な2人の足音が、重なった。

そして、私の横には彼がいる。


「陽葵。最後まで聞いて。」


「これ忘れたよな。」


そう言って彼は「あれ」を取り出す。



「なんで持ってるの」


「落ちた時に見えちゃった。ごめん。」




陽葵が戦慄するのもわかるなぜならそれは








ーーーーーーー指輪だったから。





「楊葵は俺にこれをプレゼントするために今日来たんだよね」

「俺の返事聞いてくれるかな…。」


「え、ま、待っ…ーーー



「こちらこそよろしく。 俺が先に言えなくてごめんな。」


「え?」


「でも、好きな人いるんじゃないの?」


「俺はお前以外に好きな人はいないよ」

「あと…


俺はもう一つの箱を取り出し、開ける。


「俺からのプレゼント」





私が蒼から渡されたもの。それも指輪だった。



「これが俺からの気持ち。受け取ってくれる?」


「うん。もちろん」


陽葵はとびっきりの笑顔で返事をした。


真夜中の日本橋の橋の上で2人はお互いの指輪を交換しあった。







【作者より】

もう少し続きます。ぜひこの後も読んでいただけると幸いです。



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