第4話アラクネ娘埋まる☆
「貴様は何処をほっつき歩いていたんだ!」
「いダダダ…耳ちぎれる!」
長身の女の子は職員室を後にして教室に戻ろうとしているとキョロキョロしている蒼空を見つけた。
「1時間も待っていたのだぞ?」
「悪かった…職員室がどこにあるかわからなくて…」
「それでも時間かかりすぎだろう?それでよく教室まで辿りつけるな…」
「おかげさまで今の所教室まで辿り着いてないんだよ」
「マジか!?」
「マジだ!」
「ふむ…何組だ?」
「1-Aだな…」
「クラスメイトなのか…来い!こっちだ!」
「いダダダ…だから耳ちぎれるって…」
教室に到着
170cm位の女の子が200cm位の女の子に挨拶する。170cm位の女の子はおでこに短い角が2本あり鬼神族のようだ。昨日会ったスライムの女の子が傍らで机に突っ伏している。
「ようルキノ遅かったな?そちらは?」
「エクサちょっと野暮用でな…この男は…」
「ソラ!」
ズガン!
「ぎゃぁぁ」
「「あちゃー」」
蒼空はスライムの女の子に轢かれて廊下に吹っ飛ぶ…
「たま!あなたの素早さと質量で飛びついたら凶器だって言ってるでしょ!」
エクサに怒られてたまはしょんぼりしている。
「父上がたまに吹っ飛ばされるのを思い出すなぁ…」
「ルキノまで…」
「いたた…」
蒼空はたんこぶを擦りながら教室に入ってきた。
「ソラ~バイオレットが帰ってこないの~」
たまが泣きながら蒼空に抱きつく
(おっぱいが当たってるけど硬い…)
蒼空は遠い目をしている…
「えぇとバイオレットって ?」
「たまと同室の子よ…あ、あたしは鬼神族のエクサ。よろしくね」
「私も名乗っていなかったな。人族のルキノだよろしく」
「俺は蒼空・海野よろしくな」
「「ウミノ!?」」
「ほぇ?どうしたの?」
エクサとルキノは蒼空が王子だった事に驚いているがたまはよく分かっていない。
「王子の耳を引っ張るなど大変な粗相を…」
「気にすんなって…学校では身分関係なく楽しくやろうぜ」
「はっ。ありがたき幸せ」
ルキノは深々と頭を下げる。
「堅苦しいよ!」
「そんな事よりバイオレット~」
「授業始まっちゃうから放課後にみんなで探しに行きましょ?」
エクサがそう言ってたまの頭を撫でる。
「放課後なら我らが妹の力も借りられるしな」
ルキノもそう言ってたまの頭を撫でる。
放課後
「どこに向かってるんだ?」
「あたし達の妹が初等学園に居るの。だから初等学園の女子寮ね」
蒼空が首を捻りながら聞くとエクサが答える。
初等学園の女子寮前。呼び出されて3人の妹が来た。
(この子整い過ぎてて逆に怖え)
「お姉様方如何なさいましたか?」
「チェリー力を貸してくれ」
「畏まりました。場所を変えましょう」
とりあえずカフェに入り一通り注文して…
「バイオレットが行方不明なのだ」
「左様で御座いますか…心当たりは?」
「無いのだ…」
「最後に見たのは?」
「昨日の放課後だな…」
「残像思念を追ってみましょう…」
チェリーは水晶玉を取り出すと手をかざして魔力を込める。
「チェリーは奇面導師だよ。見た目は完全に人族と同じだからね。普通に初等学園へ通っているのよ」
エクサが言う
「そっか」
(きめんどうし…きめんがよくわからないがどうしってつくんだから魔導師なんだよなぁ?子供なのにすげー美人なんだけど…)
「バイオレットお姉様はしばらく壁を走った後気を失ったようです。現場へ参りましょう」
「壁!?」
「バイオレットはアラクネだからな…壁でも天井でも走れるんだ」
蒼空の疑問にエクサが答える
チェリーの後を歩く一行。とある建物の裏口で止まる。蒼空は表の看板を見て戻る。
「岡魔道士研究所って書いてあったぞ?」
「あっ…あそこ見て」
ルキノが高い場所にある窓から中を覗く。
他のメンバーもよじ登って中を見ると下半身が地面に埋まっている女の子が居た。
「あれがバイオレットか?」
「そうね…どうしよう…」
「わたくしに考えがあります…」
研究所内バイオレット視点
「んん~抜けなさいよ~」
バイオレットは地面から下半身を引き抜こうと一生懸命藻掻いている。
「残念ねぇ…その首輪…魂の牢獄がある限り逃げられないわよん?」
(注)魂の牢獄魔力ゼロ及び全ステータス10分の1
マッチョな男がクネクネしながら現れる。岡魔道士はモンク僧の魔導師版で拳で語り合う魔導師なのだ…
「ひぃ…わ…私をどうする気?」
バイオレットは自分の身体に手を巻き付けて身を守ろうとする。
「決まってるじゃないの♪︎HPゼロになるまでボコったら復活させてまたボコるのよ♪︎」
「いやぁ!そんな事したら寿命が無くなっちゃうじゃない…死にたくないよぉ…うぇぇん」
「お前ら何やってるんだ!」
外で知らない男の声…
「バイオレット!」
上から声がして見上げると…
避けるスライムの体当たり…クリティカルヒット!9999のダメージをあたえた!
「ぐはぁ」
アラクネのスキル発動…不屈の闘志
(注)HP1で生き残る
「バイオレット~助けに来たよ〜」
「殺しに来たの間違いじゃないかしら?」
「バイオレット引っこ抜いてあげるね?」
たまはバイオレットの腰を持って持ち上げようとする。
「いたたたた上半身が取れるわ!HP1なんだからやめてって!」
バイオレットはたまの頭を叩く。
アラクネの攻撃…0のダメージをあたえた。
避けるスライムはしょんぼりしている…
「向こうの部屋で騒いでるうちに首輪外してちょうだい!」
「わかった!」
たまはスライムモードで首に巻き付く。バイオレットの口も塞いでしまっているがたまは気付かない。
「んん~!?」
「高圧縮スライム溶解液充填…」
「ん~ん~」
(首を切り落として外すんじゃないでしょうね!!!)
「発射!」
たまは人型モードに移行して隣に立つ。バイオレットは口から魂が抜けかけている…
「バイオレット!」
たまは魂を口の中へ押し込む。
「死ぬかと思ったわ!!!」
「ほぇ?なんで?」
「まぁいいや…」
地中に埋まっていた蜘蛛部分がのそりと立ち上がり隣の部屋へジャンプする。
「はぁい♪あなたたち私を監禁したんだから手足の1、2本は食いちぎられる覚悟はあるのよね?」
「ぎゃぁぁ…」
岡魔道士達は逃走した…
「みんな助けてくれてありがと…えっと誰?」
「蒼空・海野だ。よろしくな」
「よろしくね」
バイオレットはルキノに小声で
「ちょっとちょっとウミノってあの?」
「そうだな」
「あんたら…なに王子たらしこんでるのよ!」
「まぁ成り行きでな」
「ソラ!バイオレット助けてくれてありがと~」
ズガン
「ぎゃぁぁ…」
蒼空は再度たまに轢かれて吹っ飛ぶのであった…
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