嘘つき
「ねぇバカ兄」
キッチンで夜ご飯を作っている花音から呼ばれる。
「なんだ?」
俺はテレビから視線を外して花音を見る。
花音の後ろ姿が見える。
「最近もえちゃん、うちに来ないよね」
「あぁ、そうだな」
一緒に料理をした日以降来てないな。半月は経つのに。普通なら毎週1回は来てたのに。
どうしたんだろう?体調悪いのかな?
「もしかして、喧嘩でもした?」
「私ともえちゃんが?するわけないじゃん」
そうなんだよな。
花音と萌香が喧嘩してるところなんて見たことないからな。
じゃあ原因は俺か?
「俺何かした?」
「……ううん。たぶんバカ兄のせいじゃないよ。私も急過ぎてよくわからないんだ」
花音が歯がゆそうな顔をしてそう。
後ろ姿しか見えないからわからないけど。
「そっか」
「後で電話してみるよ」
後味悪く感じながらもこの話題は終了した。
◇◆◇◆◇◆
なんだか、もえちゃんの様子がおかしい。
そう思い始めたのは最近。
バカ兄がもえちゃんに恋愛成就のお守りを渡した次の日からだ。
ずっと上の空なんだよね。
私が話しかけてもすぐに反応しないし、たまにとても辛そうな表情を見せる。
ないとは思うけどバカ兄が何かしたんじゃないかって思って、さっきさり気なく聞いてみたけど知らない感じだった。
うーん……
わかんない。聞いてみよう。
私はもえちゃんに電話をかけてみることに。
出るかな?
『どうしたの?』
あ、出た。
「そんなに大したことじゃないんだけど、最近なんでうちに来ないの?」
『……最近、勉強をしてて。ごめんね、何も言わないで』
もえちゃんの明るい声が耳に入る。
「そっか。ならよかった。もえちゃんに何かあったのかと思ったよ。勉強頑張ってね」
『……うん。おやすみ』
もえちゃんが電話を切る。
部屋が静寂に包まれる。
「……嘘だね」
空元気だった。無理やり明るくさせた声。
それに、もえちゃんが勉強?もえちゃんは勉強はするけど、そんなに根を詰めてはやらない。
だって、花宮高校くらいならもえちゃんは余裕で受かるから。
勉強は確実に嘘。
でも、嘘だとわかったところで本当のことがわからないんだよね。
もえちゃんがバカ兄よりも他の何かを優先するなんてよほどのことだと思う。
それに、それは親友の私にも隠さないといけないことなの?
――――――――――――
なかなか投稿できなくてすみませんでした。
言い訳させてください。
水曜日から春休みが終わって学校が始まったんですよ。
放課後には部活もあったりして、それで書く時間があまり確保できなくて。
でも3日も投稿しなかったのは流石にまずいと理解しております。反省しております。
これからは最低2日に1回は投稿します。
……頑張ります。
それから、明日(4月10日)は投稿できないかもしれないです。
部活の試合がありまして。
投稿できなかったらごめんなさい
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