2日目
「みんな、2日目も頑張ろう!」
クラスの陽キャ代表が昨日と同じく士気を上げる。
昨日の時点で売り上げは、かなり良かったらしく優勝はほぼ確定らしい。
とは言っても、星奈ちゃんや由香里さんが抜けた午後は売り上げが大幅に下がったみたいだ。
すごいな、2人の影響力。
「伊織くん、頑張ろうね」
隣の星奈ちゃんがガッツをする。
「そうだね。由香里さんも頑張ろう」
「まあ、流石に昨日よりは落ち着くよね……」
由香里さんがため息を吐く。
そんな様子を見て俺や星奈ちゃんは苦笑いを浮かべる。
きつかったもんな。由香里さんの言う通り少なくなればいいんだけどな。
◇◆◇◆◇◆
「いらっしゃいませっ」
見事にフラグを回収しました。
昨日と同じく……いや、昨日より大盛況している。
良いことなんだけどね。ただ、教室の外に並ぶ最後尾が見えない長蛇の列を見たら目まいが……。
「席にご案内しますね」
次のお客さんを席に誘導する。
……マスクにサングラス、それにニット帽?
室内だというのにサングラスをかけている二人組の女性。
そんな普通とは言えない格好の2人に思わず視線が釘付けになってしまった。
なんだろう、そういうファッションなんだろうか?
でもこの2人どこかで見たことがあるような。
「では、ご注文が決まりましたらそこのベルを鳴らして下さい」
「はーい!」
ん?この明るく元気な声音……。ええ?
頭の中に渦巻く一つの可能性。
いや、そんなことないか。
チリンチリン、とベルが鳴る。さっきのお客さんか。
「あ、伊織くん私に行かせてくれないかな?」
「え?」
俺が向かおうとした時、星奈ちゃんに呼び止められる。
「うん、いいよ」
まあ、別に断わる理由もないしな。
「ありがとう」
どこか清々しい笑みを浮かべる星奈ちゃん。
どうして星奈ちゃんは行きたがったんだろう。
いや、やっぱり彼女たち……。
――数時間後。
よし、自由時間だ。
なんか星奈ちゃんは慌ただしく出ていったけど大丈夫かな。
じゃあ、俺は待ち合わせ場所へ。
◇◆◇◆◇◆
校庭ではそれぞれの部活動生が屋台を作って盛り上がっていた。
俺はそのすぐ横を素通りして、校門の方へ。
「お待たせ」
声をかけるのは俺に背を向ける黒髪ボブヘアの後輩。
「いえ、私も今来たところですっ」
ゆっくりと俺の方に振り返る。
その後輩はいつもの小悪魔的な笑みを浮かべていた。
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