第2話
第2話 1
長い長い渡り廊下を歩くと、重々しい扉がそびえたつ部屋にたどり着いた。
ここが、アイクの言うミーティングが行われる会議室。
襲撃に備えてベルのホープで間取りは大きく変化させていた。
特に間取りを充実させているのは食堂や植物を育てるプラント区間、そしてアイクの研究室だ。
アイクは、獣と敵対し不自由となった人々を救う組織“ノラ”の創設者でありリーダ。
昔は、そこそこ有名な研究学者なようで…キーウエポンの開発なども研究の一環だったみたい。
それだけを聞くと、凄い人間なのだが…普段のアイクに覇気がないせいなのか、作戦以外でアイクに忠実な隊員はいない。
黒髪の女は、会議室の重々しい扉に出かける。
…人の名前を覚えるのが苦手な黒髪の女は、確認のためにもう一度思い返した。
癖っけの青い短髪の男“アイク”。
暗め青色の瞳をした優男で、基本的に気配がない。
首には真っ赤なダイヤ型の石のネックレスをつけている。
身長は一番高く、良く人の頭を撫でる。
ただ…B.Kの頭を撫でた時に、狙撃されたらしい。
本人談だと、“人生が終わったかと思った”と言っていたが自業自得だろう。
戦闘能力も高く、心、技、体も高い精度で扱える人。
たしか、座右の名が…“以心伝心”の意味不明な男だ。
黒髪をしたやや短髪の男“ベル”。
面白味のない髪型に、黒い瞳をした細男で眼鏡をかけている。
ただ、女顔のせいかシオの遊び道具にされかかった時期があるらしい。
意味不明な感じでは、アイクと同じだが…彼よりも自由。
腕力は、男女含めて最弱ため銃形態を好んで使い心による回復も長けている。
物質を操り創造する力をもっているため、基本的に後方支援。
特技は、睡眠みたい。
1ヶ月前のように、真冬の空の下で寝ようとするのは、ベル位だろう。
丸刈りの男…“ハゲ”。
何度確認しても、ハゲ。
ちゃんとした名前があるみたいなんだけど、ベルが誰にも教えておらず…彼も諦めた様子で何も言わないためこの名が広まった。
身長は、下から二番目位。
最小の黒髪の女より大きい位で、シオよりは低い。
本来なら、シオと同じ位なのだが…“乙女のヒールは身長に加算される”というジャイアニズムで下の扱いにされているみたいだ。
アイクと同様に、ホープを平均的にこなせるが、腕力、防御力がノラ最強の男だから剣形態による体強化タックルを良く行っている
後方支援をしたいと言って、アイクに無視された数は計り知れない。
趣味は、園芸。
『髪の毛が育たないから、植物を育てはじめたのか?』
っと、言ったベルを投げ飛ばしていた多数の情報がある。
長い黒髪の女“シオ”。
純日本人を思わせるような黒髪、黒瞳をしている普通の少女。
基本的に、動きやすい男装を好んで着ていたが…歳が歳の為か最近、アンナに教育を強制的に受けているらしい。
ノラの中で、もっとも自由でエグザスやアイクでさえも彼女の暴走は止められなく、基本的に無差別のB.Kに取り押さえられて事件は解決されている。
器用貧乏の為、得意としているホープや形状はないが…そつなく戦える万能型。
ただ、反射神経はノラ一。
趣味は、読書と至って普通。
ハゲやベルとたまに、本について話したりする。
銀髪の男“エグザス”。
青と赤の左右それぞれ違う瞳をもっていて、銀髪を隠すようにパーカーのフードを被っているようだ。
散歩が趣味なのか、良く外に出て歩き回っては血塗れになって帰っていた。
本人談だと、途中で獣達に襲撃された際に付着した返り血だそうだが…よく尾行されなかったものだ。
刃渡りがでかくなった剣形態にしか起動できない体特化型のキーウエポンと、通常のキーウエポンを扱える男だが基本的に体特化型のキーウエポンを使う。
ホープもアイクやハゲと同様に高い精度で扱えるが、心は1段までしか使えないそうだ。
特に体の扱いは、ノラの中で一番上手で前線にはハゲと同様に必ず目にする。
無口、無表情となんとも面白味のない男のせいなのか嫌いな食べ物で良く弄られる。
嫌いな食べ物は、“ピーマン”。
軽いウェーブをかけた黒髪の女“B.K”。
暗めの茶色い瞳をしていて、ベルの言葉を借りるとビターな女。
赤いフレームの眼鏡をかけていて、常に眉がつりあがっている。
男女無差別の為、女だろうが引きずったりぶん殴ったりしているため、シオ鎮圧で重宝しているようだ。
ただ、面倒見がいいので気がつくと人か集まっている。
秘密主義者なのか、部屋には誰も入れていはい。
何故か、ベルは事情を知っているようで前に話そうとしている所を起動前のキーウエポンで殴られている所を良く目撃されている。
眼鏡をかけているのだが、動体視力はずば抜けて高く。
どこぞの戦闘民族よりあるとか。
スナイパーライフルのような風貌をした銃形態にしかできない技特化型キーウエポンを使っている。
秘密主義者の為、趣味など詳細は不明。
緑髪の女“アンナ”。
巨大な密編みを肩にかけた女性で、他の女性たちも縛った髪を肩にかけるのは彼女の強制的な指示。
口調は優しく、普段も優しいのだが頑固。
…頑固なんて優しいものではないか。
一度決めたら、決して曲げることをしない人で…力ずくでも指示に従わせる暴君。
唯一の救いは、それが結果的に正しい所だ。
ただ、天使のような優しい顔を持つ暴君の対処がノラ最大の問題となっているしらしい。
自分の身長と同じ大きさをした杖のような心特化型キーウエポンを使い原子の比率を変動させる。
つまり、少しでも炭素をもつアイク達はアンナの気分次第で立派な銅像に変えられるわけだ。
ただ、技の扱いは上手ではなく技は1段しか使えない。
…以上が、黒髪の女が知るノラのメンバー。
後は、キーウエポンの不適合者や間だった人達などの戦闘ができない者もいる。
「おい、ぼーっとしてないで席に座れ“マレ”。」
「分かった。」
アイクにそう言われた黒髪の女“マレ”は、言われたままに席についた。
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