第1話 6
ベルとの通信が終わったエグザスは、キーウエポンを腰に戻した。
「瓦礫ぐらい一人でやったら、どうだ?
お前が体をつかって、キーウエポンをもう一個つかえば難なくできただろう。」
こんどは、軽めのウェーブがかかった女の人が現れた。
縛った髪をシオと同じように肩にかけて、赤いフレームのメガネをかけている。
一番の特徴は、彼女のキーウエポンは自分の背丈より少し大きい大型のものだった。
その銃形態のキーウエポンを肩に乗せてたっている。
「黙れ“B.K〔びーけー〕”。
ここは、敵の拠点。
後の事が分からない以上、必要以上の力を使いたくないだけだ。
体力は温存しておいて損ないだろ。」
エグザスは、呆れたような疲れたような表情を浮かべて黒髪ウェーブの女性“B.K”と向き合った。
B.K は、キーウエポンを背中に戻して腕を組む。
「とりあえず、シオ達と合流しよう。」
「いや、その必要はない。
…来たぞ。」
そう言ったエグザスは視線を砦の方に向ける。
視線の先の砦から、一台の輸送車が此方にかって走ってきた。
初めは敵かと思ってキーウエポンに手をかけたB.Kだったが車の屋根の上にあぐらをかいて座っているハゲをみて警戒を解く。
ハゲは、無駄にムスッとした表情でバスの上に座っている。
「遅くなって、ごめん。」
「拠点に乗り込んでいたんだ、気にするな。」
ベル達と合流すると、皆が一ヶ所にあつまり状況を話始めた。
途中、アイクも合流して今後について会議を始める。
内容は、ベル達が散策した限りの砦内部の情報と救出した苗床になった人々について。
「…なるほどな。
で、ハゲが車の屋根に乗ってたのは俺達への目印。」
「あぁ、小さいから気がつくか不安…。」
ベルの話の途中で、ハゲの蹴りが入って話が聞こえた中断してしまったが…話の流れはわかった。
だけど、ベルはフルフルと痛みに震えながら蹴られた太ももをさすっていた。
「しかし、お手柄だぞ3バカ。
正直、こんなに苗床を保護できるとは思えなかった。」
アイクは、未だに太股をさすってるベルの頭に手を置いた。
確かに、流れはいい。
…怖いくらいに。
アイクやハゲも、それを分かってるのかキーウエポンから手を離していない。
エグザス、アンナ、B.Kは、平然を装おっているが視線は常に動いていたし。
そのなかで、シオはベルに作ってもらったであろう椅子に座って本を読んでいて、ベルは心を使って作った椅子に座って寝ている。
このピリピリした空気と肌を指すような寒さの中で良くそんなにのんびりできるものだ。
「…!
伏せろ!!」
一番始めに異変に気がついたのは、B.Kだった。
B.Kが叫んだ瞬間に、ベルが乗ってきた輸送車が爆発する。
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