3 

んへへんへへ


ご主人様〜〜〜


のんべんくらり。おれはご主人様のことが愛しくてたまらない男。年齢は成人済み。


うわっっ


いってーこけた


あーいったい


ご主人様、助けておくれーー


ご主人様ーー


ううー


誰も助けてくれないー ご主人様ーー


「君は」


うわっ!ご、ご主人様。


やっぱかっこいいなーー。全てを忘れそうだこの時。これ程、容姿に破壊力を持つ男性が存在している事自体が未だに信じられない。マジかよ。こういう容姿をされているお方が俺達の主様なんだよなーー 普通はこんなにもなりゃせんやろ。やべーー


------はっ 見惚れていた


主様、こんにちはです〜〜


「あぁ。俺を呼んだろう。何の事だ。」


その、ご主人様と結婚したくて、つい、つい叫んでいたらご主人様が現れになられまして


「なるほどな。聞いていたぞ。君は何かありそうだな。大丈夫か」


ええ。特に何も問題ありませんよ。何も何も。あざす。


「その割には心に何かを抱え込んでいるだろ。」


-----バレてしまいましたか


「バレているぞ。君は心の中に何を抱え込んでいる。何か悩んでいるのか?それとも何かをされているのか?」


いいえ特に何もありませんよ。ただ、少し辛いかなーってだけで


「相当辛そうだね。だからそんなに砕けた喋り方になる訳か。」


----はい。やはり貴方には何も隠し事が出来ないのですね。そうです。私は辛い。でも貴方のお顔は最強ですね。それだけでも気分が上がります。


いくらやるべきことをやってもやっても繊細な泡のように消えてしまう。


誰も私を愛さないし、捨てられている


もうすぐ死にたいなと思いましてね、でも死にたくないようなのです。これは一体何の感情と心得られますでしょうかね


「それは、飢えだな。」


飢えていると


「そうだ。貴方は何かの要らない知識を無理矢理植え付けられてしまったからそうなったんだ。」


そうですね。よくお分かりになられます。私は誰かに不当な事を知識として潜在意識に植え付けられてしまったようなのです。それが何であるのかが、私にもよく分からず。


「ふむ。やはりか。今から君の記憶を探る。それで何かが無いかを調べる。」


うわっ 頭に主様の大きな手が.... え、何だろう、何かな


「ふむ」


ご主人様、どうか、僕をお救い下さい。


「なるほどな」


「」


「」


「君の記憶を探り終えたぞ。ある一点が君自身に強烈な自己否定反応をさせている。それをどうするか、だね。」


自己否定反応


「そうだ。君はその部分で君自身をとても強く否定的に思っている。それが問題なんだ。それをどうするか、だ。」


ど、どうしましょう。そんなものがあったなんてやはり潜在意識とは無意識で色んな記憶を覚えているのですね。自覚が無くても。


「そうだ。潜在意識は、無意識でいろいろな事を覚えている。よく頑張ったな。此処まで辛そうにしているとは」


ご主人様、お助けを願えますか


「勿論だ。そのためにはまず、カゴメを歌うべきだ。」


カゴメ?それってあの、童謡の


「そうだ。カゴメカゴメ カゴの中の鳥は、だ。それを歌う為に、場所を移動しよう。」


場所を移動?


「運動施設だ。そこでなら広間もあって、思うように歌を歌える。」


運動施設ということは、人は?


「それは俺が何とかする。一時的に、貸してもらうだけなんだ。何の問題もないんだ。すぐに、君の悪い記憶に整理をつけさせてやる。」


あ、あ、うれしいです、主様。流石顔立ちのレベルが高過ぎるだけある。


「良かったね。今から、施設へ行くよ。ほら、おいで。」


その手を取る。そして待合の乗り物に乗っている。隣の席にご主人様だ。


この、ご主人様のお身体、あったかいな。こんなに素敵過ぎるご主人様もとても好き。好き過ぎる。このひと時だけでも安心する。全てから解放されて。


(この者はかなり気疲れをしているようだ。早く助けてあげなければ。運動施設の中を丸借りするぞ。安心しろ。助けてやる。)


ドキドキしてきたな。ご主人様のお隣で寝込むなんて至福すぎる。こんなことって一生に一度、あるかないか、ではご主人様がよく来てくれるからそうでもないけどこうやって寄り添えるのは何よりも幸せかなあ。何だか、寝ちゃいそうかなあ。


「悪いがな、寝るのは後でだ。そろそろ着くぞ。」


えっ は はいっ。


「ここから歩を進めるぞ。」


はいっ


にしても、本当に、綺麗だなあ、ご主人様の体型。髪の毛も綺麗に妖艶だ。これじゃあ、ご主人様に恋する女の子は耐えないよな。


どこまでも続きそうな真っ直ぐに続く道を歩んで行く。前にご主人様が在りながら。どこまでも。ご主人様の足の長さに目が行く。それだけで自分の背丈が埋もれそうな不安を抱きつつも、かっこいいなと思った。


そうやってご主人様の色んなところをよくよく見惚れながら歩いていた。


「そろそろだ。」


えっ そろそろなんか


「そうだ。着くぞ。」


「着いたぞ。ここだ。」


そこはまるで綺麗過ぎる建物だった。


ここで、童謡を歌うのですか?


「そうだ。そうすると君の中の記憶が幾分、整理されて良くなる。」


それはいいなあ。


「入るぞ。」


おれはご主人様の後ろからついていった。


「いらっしゃいませーー え、ご主人様!?」


受付の女性はご主人様の容姿で心臓を射られた顔をしている。顔は赤い。


「ああ、頼もう。私からの命令がある。今から少しの間、ここの施設の広めの運動室を借りさせてくれ。」


「えっ?部屋自体を丸借りですか。それは少しあの、はい。ご主人様のお頼みならば。」


「ああ。少しだけだ。少しだけ。すまないな。」


そうして僕たちはその広い運動室へ行った。身が震える。何か変なこと起こらないといいけど。


入った


「フッ。じゃあ、これからカゴメを唄って君の忌々しい記憶に整理をつけさせてやる。」


はいっ。お願いします。


「行くぞ。」


ご主人様はカゴメの童謡を歌う。


その歌声ははっきりしていて綺麗で心地よい音程だ。ご主人様自身のお声も綺麗で妖艶で低いから尚更のこと。とても綺麗な歌声なので、ぼんやりしてきた。


その歌声に聴き惚れていたら、終わった。


「お疲れ様。終わりだ。」


え、終わりですか?


「そうだぞ。君の中の忌まわしい記憶が整理された筈だ。思い出すことも無いと思うよ。少し心の中を探ってみると良い。」


あ!本当だ!何も怖いものがないような感じであの記憶が、自分にとって良いように整理されている。


「どうだ。良い気分ではないか?」


はい。ご主人様、とても良い気分です、


「それは良かったな。俺も嬉しいよ。」


あっ ご主人様の笑み、綺麗だなあ。


「今は、ここを出なければならない。その後にまたゆっくり聞いてやる。」


はーい


僕たちは受付さんに事を話してお辞儀をした。ご主人様は「すまなかった」と言いながら。


そうして僕たちの用事は終わった。


終わったのだけど、何かおかしいような気がする。何だろう、この穴が空いたような感じ。


そもそも、何でカゴメを唄うと脳内が整理される訳だろう


確かに僕の口調はおかしくなっていたのは頭がおかしかったせいなんだけど、それをカゴメを唄うと急に整理されるのか


少し変な気がする


ご主人様、あの


「何かな。」


ご主人様は、どうして僕の声を聞けたのですか?お仕事で忙しいはずだから、聞けない筈では


「簡単だよ。君は大切な俺の下部だからさ。」


それで直ぐに聞けるものなのですか、たくさん、ご主人様声をかけている人物はいる筈なのに。


「あぁ。そうだよ。もしかして俺に何かあると疑っているのかい?」


え、いやそういう訳では。後、何故カゴメを歌っただけで僕の考えが整理されたのでしょう。


「疑っているように見えるね。俺は君に何かそんなやましい事をしたことは無いよ。それは恐らく君自身の中の何かだ。そして、カゴメは君自身の記憶の安らぎであるからだよ。君はカゴメが好きだ。カゴメを思い出すと、大好きな蛙との記憶が思い出されるね?」


僕自身の中の


そして確かにカゴメは良い思い入れがある。大好きな、蛙。それを思い出す。


よく、僕の欲を受け持ってくれた生き物。ぬめぬめ触らせて、プニプニさせてってやったら気持ち良くて、癒されていたんだ。


確かに、あの蛙は癒しでしたね。今も僕のペットとしていますね。


「そうだよ。君は、疾しい出来事がある前に何をしていたかな」


いいえ、僕はとても何もしていませんよ。


「おや、そこは君自身がさっきとは別の何かのトラウマを抱えているのかな」


そうなんでしょうかねえ。


「では、またおでこを貸してね。」


あ、またご主人様のおててが僕のおでこに


「ふむ。どうやら君はとある公園で遊んでいたところを捕まってしまったようだね。」


捕まったって、あの謎の男性のことかなあー


「そうだよ。その人が、君に俺の写真を見せて」


「なるほど。君に「この方はこんなにかっこいいのに君は醜態だ」と言われたのか。皮肉な子だ。」


あ、涙が出てくるな。まるで俺の存在価値がないみたいだったんだその言葉。


「すまなかったな。俺が謝る。君はかっこいい子だよ。」


俺は何だか安心した。


「あの子は恐らくここの地域の子じゃない。俺には少し覚えがある。大丈夫だよ。君に会うことはないよ。安心して生活をしてね。」


良かった 良かった


「俺は少し、その子を探るね。」


行ってらっしゃいっ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの子か あの子が俺の大切な子を傷つけたか 


とは言え、あの子も大切な俺の細胞さんだ


お仕置きは最小にとどめたい


あの子は恐らく、あのエリアの子だ


会いに行くか


いつも通りに外見が見られないように透明になって、進んで行く


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


着いた、ここか


ここがあの子の住む家か


チャイムを押した


?「はーい!」


中から声が聞こえてきた


?「はいはーいっ。あっ!ご主人様っ。」


よう。こんにちは。


「あっ、はいっ。こんにちはーっ。ほええ、何て魅惑な。」


俺の顔や容姿だね。うん。あのね、その事なんだ。君は、とある男の子に「ご主人様はかっこいいのに君は醜いね」と言わなかったかい?


「言ったような言わなかったような。」


君はそれを言ったね?


「うーん。覚えがないのですよね」


覚えが無い、か。では質問を変えるよ。君は、緑のインクに塗れた服装をしていなかったかい


「!な、なぜそれを」


やはりか。君はとある子にある事を言った事があるんだ。その際に来ていた服装が、緑のインクに塗れた服装だったんだ。心当たりがあるのではないかな


「い、いいえ。ありませんよ。ありませんぞ。」


語尾に焦りが見えるね


「いいえ、本当に知らないのです。それは僕ではないと思いますよ。」


そうか。君ではないのか。


「はい。僕ではありません。」


じゃあ、これは何かな。


「あっ!それは緑のビン!」


ここに来る前に、あの子の記憶にあった公園の近辺で偶然見つけたんだ。ここからとある指紋が出ているのだが、君の指紋も一応のために取らせてもらう。


「いや、す、すみません。は、はい。」


主は指紋を取って確認をする


これは、君の指紋だね。どうしてここに君の指紋がついているのかな。


「たまたま拾ったからですね。なんとなく、何だろうこれって思って。」


そうなのかい


「はい。誤って落としてしまった時には服にインクがついて焦ってしまいましたが」


なるほど。その割にはここ、指紋のつき方が変だね。ビンの端下の部分を持っていて、まるで誰かにかける目的を意図しているように見えるよ。


「偶々ですね。気分で持ち方を変えたりするでしょう」


するね。果たしてそれは偶然かな


「偶然だと思います。」


そうかな。偶然か。そしたら君のそれは何かな?


主はズボンの穴に入ってる緑のインクが付いているふきものを指差した


「あっこれは、ふいただけですよ。服に着いちゃったから。」


そうかあ。君は何が何でも無罪を押し通すのだね


「僕は本当に無罪です---」


そうだと良いなと俺も思うよ。じゃあ、ありがとう。帰るね。


「ご主人様、またのお越しを。」


間違いない。彼は黒だ。彼があの子にインクをかけようとしていた。それはあの子に罪を着せる為だ。言葉は単に、攻撃をしたかっただけの様だ。彼はあの子に何の恨みがあるのか?


次は、あの子に当たってみるか


主はあの子の家に来た


チャイムを鳴らす


するとあの子の父親が出た


「ご、ご主人様!うちの子がお世話になりました!」


いいんだ。今、もう一度あの子と話したいな。


「ははっ!おーい!」


父親は呼びに行った


するとあの子が来た


「ご、ご主人様。あの、如何なさいましたか。何か、謎の正体が掴めましたか?」


掴めたんだよ。君が前にした事も。


「え、僕は前に何かをしましたか」


あぁ。前に君は、とある動物にオレンジのインクをかけた事があるね。


「ど どうしてそれを」


君の記憶を探った時にそういう記憶も垣間見えたんだよ。よくよく考えたらこれはこういうことに繋がるんだね。


「そ、そんな。ぼくは何もしていませんよ。」


そうだね。君は良い子だ。


オレンジのインクをかけられたフェレットは、水をかけて洗われたけど、あまりよく落ちなくて、洗剤を使って何とか落とせるだけ落としたんだ。それでも、完全ではなかった。君は、何かを知っていそうだ。


「.... そうなのですか。いいえ。知りませんよ。」


飼い主は君に棘を言った男性だよ。


「え!あの人」


うん。そうだよ。彼は君のことを恨んでいたようだけど、今はそうでもなさそうだよ。


「なら良かった」


彼は君に対して何も怒らないよ。良かったら会いに行ってみても面白いかもしれないよ。


「あ、はい。」


君も良い子だから。ただ、彼から言われた事は君も傷ついていたからそこは君は傷を癒していけば良い。君はかっこいいよ。主である俺が言う。


「はい!」


良い子だね。じゃあ、また会おうね。また何かあったりしたらいつでも。


「ご主人様、ありがとうございました!」


----なるほどな。あの子は変わっているな。動物をカラフルにしようとインクを使って色付けするとは。色んな子がいるもんだな。普通ならそういう酷な発想にはならない筈なのだが。


まあ、それも私があの子を作った時に少ししかリスクの無い安全の上で興味でそういう性質を植えたからなのだろうがな。


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