いのち ひとり
わたしの うしろには
息してるだけで せいいっぱいって いう
クッション材 いっぱいの 車椅子に
のっている 男の子が。
だれも だれも なんにも 悪くなくて
みんな みんな おなじ ひとりで
わたしに できる ことって いったら
手作りの クッキーや
かわいい 石けんや マグネットを
買うくらいしか、 模擬店の たべものを
買うくらいしか できなかったんだ。
すこし 勝手が ちがって
こまってる どこからか たのまれて
来た バンドの 演奏を 聴くぐらいしか
できなかったんだ。
生きてる 場所が どんどん
なくなって いくよね。
そうなんだね。
だから 病院へ しせつへと
すいこまれて いくんだね。
だから、
せめて この 一瞬の 笑顔を
見ていたい。
そう 思って
だた そばに じっと そばに いたんだ。
しわだらけの おかあさんの はなしを
ただ じっと 聴くぐらいしか できなかったんだ。
どこから どうしたら いったい。
みんな おんなじ ひとり なのに。
くじらの海 @utau-aruku
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