第29話 アフター
セミナーが終わり、参加者たちは各自でご飯に行ったり飲みに出かけたりする。
涼一郎とレンレンは、同じく表彰された洋子とは他系列で同じくダイヤモンドのタイトルを取得した
真太郎は…
角「相葉!年下の方の相葉!」
キャドさん…真太郎と呼んでくれないのか…。
真「はい!」
角「この後こっちーと
真「はい!行きます!」
角「まあ新しいタイトル取得したからにはお前らに語り明かしたいことがある。」
真「お!本当ですか!楽しみです!」
◇
とある居酒屋に到着し、4人は1杯目に生ビールを頼む。
男「カンパ〜〜イ!」
角「まずは3人ともタイトル取得おめでとう!」
真•東•島「ありがとうございます。」
キャドはエメラルドというタイトルを取得している。
晴彦が取得したサファイアの次のタイトルで、真太郎と
キャドは、次のタイトルであるパールの取得を今年中に狙っている。
角「晴彦は今回サファイアというタイトルだけど、今俺が持っているエメラルドというタイトルは案外壁が高い。ルビーからサファイアであれば相葉がいたのも大きいけど、気力だけで何とかできる。でもエメラルドからは総合的な角度から問われてくる。俺もどれだけ精神をすり減らしたことか…。」
3人は、キャドの前向きな姿勢や雰囲気しか見たことがなく、辛い顔をした一面を知らない。
角「俺が人生で一番悔しい思いをしたことって何だと思う?」
島「親友と縁を切ったことですか?」
角「あっ、いやいや、"人生で"でな?当てたやつ今日の飲み代奢るわ!」
と言われたものの、全員当てられずギブアップした。
角「実はな…高体連の全道大会だ。」
真「こ…高体連ですか!」
角「まあ俺は小学校時代に空手をやっていてな、大会でも賞を取ったり中学までは札幌含め
自分自身の実力が、ある時どこかで何かの拍子で突然通用しなくなる事がある。
そんな人たちを真太郎は見たこともあった。
角「2年生になってから単独ながらも
キャドの高校時代の部活動の話を聞いて、悔しい結果は悔しいままで終わるのではなく、やり直せない過去があるからこそ、それをバネに何かで力を入れるための大きな原動力となるということを、真太郎たちは実感した。
角「だからこそ俺は、この事業に誰にも負けないくらい行動し目立ちたい。知名度を上げたい。そして…決してあいつと比較する訳ではないが、洋子さんや
いつもは面白おかしく接しているキャドさんたちの熱い気持ち目の当たりにし、熱い言葉を耳にするのは滅多にない機会だった。
キャドは、自分が得意としトップの存在だと思っていた矢先、自分を越える者の存在に
過去に受けた屈辱というものはこれからも記憶に残り続けるものであり、一生残る傷になるだろう。
それは大きな経験であり、これからの自分たちの幸せや強みになるだろう。
真太郎たちにはこれから先、どれだけの困難や試練が待ち受けているだろうか。
そしてどう向き合うのか。
これから先何が起こるかわからないからこそ、彼らはそれが楽しみで仕方ないのかもしれない。
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