第28話 セミナー

17時半になったので、ミーティングで集まっていたカフェを退散し、みんなはセミナー会場へ向かう。


島「お疲れ様です!」

洋「おう!おつかれ武史たけふみ!」

陽「女の子はゲットできたのか!?」

島「いや、今日初めて会った女の子ですし…」

真「ロマンチックな武史たけふみ見せつけてやったかい?」

古•涼「(なんやそれ…。)」

島「普通にカフェでデートしただけだよ。」

美「あら、武史たけふみがデートって言葉使うなんて。かっこいい。」

島「女の子とのデートはやっぱりSNSで知り合った方が高確率でいけますよ。」

真「(もう小樽にナンパしに行くといいながら逆ナンパされに行くのやめようか…。)」



18時になり、セミナーが始まった。


序盤には表彰式が行われる。

真太郎も対象者の一人だ。


「それでは表彰式を行います。」


司会を務めるキャドこと角田祐一の声で一斉に背筋がピンとなる。


ブロンズ、シルバー、ゴールドというタイトル表彰の中に涼一郎のグループでは10人以上いる。


10人以上のスピーチを聞き、真太郎たちは彼らの伸び代に負けないようこれからの活動に向けての姿勢を改めようと感じていた。


そして…


ルビーというタイトル表彰にて、真太郎と武史たけふみの名前が挙げられた。


ちなみに晴彦はサファイア、洋子はダイヤモンドというタイトルを取得した。


ルビーのタイトル取得のスピーチは武史たけふみから始まった。


いつもの可愛らしくませてる武史たけふみとはまるで違う。

将来のことをしっかりと見据えて、具体的にどう行動していくか•メンバーとどう向き合っていくかなどを淡々と話していた。


そして真太郎のスピーチが始まる。

武史たけふみに負けないようなスピーチを心掛けようと呼吸を整える。


真「こんばんは。この度は、ルビーというタイトルを取らせていただきました、相葉涼一郎グループの相葉真太郎です。」

男「よっ!兄弟!!」

真「すいません…血は繋がっておりません!」


同じ苗字が二人もいれば兄弟と思うのも無理はないだろう。

真太郎のツッコミに会場にいるみんなは爆笑し始める。


真「僕がこの事業を始めたのは、あるイベントに一人で参加した時に、東風谷こちや晴彦はるひこくんたちと出会ったことがきっかけです。当時僕は仮想通貨しかやっていなくて、晴彦くんからこの事業の話を聞いて興味を持ち、まずは副業としてやってみたいと思ったことがきっかけです。」


そして真太郎は、彼らと出会ったことで何を得られたのか•出会っていなかったらどうだったのかなどを熱く語り、セミナーの参加者たちに"今この瞬間の大切さ"を訴えかけた。


真「周りにかっこいいとか素敵って言われたいのはみんながそう思う。でもそれは自分自身の工夫なしにして得られるものではない。まずは自分がどうしていきたいか•どのようになりたいかを考えて行動していく中で自然と付いてくるものがある。それが仲間だったりお金だったりする。」


セミナーの参加者たちは真太郎のスピーチに釘付けになる。


真「僕は今、ルビーというタイトルを得られただけでもちろん満足している訳ではありません。これからも自分が高みを目指すだけでなく、一生懸けて付き合っていく友達と切磋琢磨しながら、幸せを共有していきたいと考えています。これからもよろしくお願いします!」



真太郎のスピーチに参加者たちは拍手喝采する。

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