第27話 ミーティング

真太郎は、金曜日は0次会から2次会まで約半日もの時間を、事業の仲間たちとお酒を飲んで過ごした。


ホテルに着いて寝たのは5時半頃だった。

そして起きたのが…


♪♪♪〜〜

LINEの着信音だった。

電話の主は晴彦だ。


真「うーん…もしもし…?」

東「おはようシンタ。寝起きの声かわいい。」

真「やめて何それ…。彼女に言う見たいじゃん。恥ずかしい。」

東「へへっ。」

真「はるくんまだ11時だよ?」

東「俺はもう目が覚めた。だからシンタも起きてるかなーって。」

真「うーん…思いっきり寝てたよ…。」

東「そうか。今から寿司食べに行かない?」

真「えっ?寿司!?行く行く!」

東「目が覚めたか。じゃあ急いで支度して学園前駅まで来い。」

真「りょーかい。」



14時。約束のミーティングの時間だ。


真「あーねむ…。」

古「寿司行くのに起こされるとかおもしろ。」

涼「美味しかった?」

真「う…うん。」

東「『俺と一緒に食べたから目が覚めたよ』だって。」

古「いや、めっちゃ眠そうやん。」

洋「おっ!みんなおつかれ!」

男「お疲れ様です!!」


洋子の登場に男たちは改まる。

場所は札幌駅の地下街にあるカフェだ。

そこで、今日午後18時から始まるセミナーの打ち合わせのためのミーティングだ。


先月までの実績について表彰されるのだ。

真太郎もその対象者であり、みんなの前で立った時のコメントや今後活動する上でのスピーチを考えるのも、ミーティングの内容の1つだ。


洋「あれ?武史たけふみは?」

古「今日は友達1人とSNSで知り合った女の子1人と会う予定らしいです。」

洋「女の子?あれ?小樽にナンパしに行って捕まえた女の子じゃなくて?」

涼「あ…絶対ないですね。」

洋「ぜ…絶対…。」

真「ぐすっ!!」

洋「何でそんなに笑うの?」

古「昨日も吹いてましたよね?」

洋「いいじゃん!そこが武史たけふみの可愛いところなんだからさ。」


自らナンパしてると言いつつも、女の子から逆ナンパされることを期待しているだけじゃないか!?


洋「今日の表彰は私とこっちーと真太郎と武史たけふみだね。」

真「洋子さん本当におめでとうございます!」

洋「本当…あんたたちのお陰だよ。それに伴ってこっちーも真太郎も仲良くでおめでとうだね。」

東「いえいえ。勿体ないお言葉です。俺も洋子さんの支えがあって、シンタがいて今の自分があります。」

洋「私は別に何もしてないよ。こっちーはどんどん先を見据えて真太郎を巻き込んでいたもんね。今後も自分のメンバーを支えていくために色々とその人の立場になって考えていかないといけないね。特に始めたばかりの人は不安なことだらけだから。」


洋子は晴彦に対し、リーダーとしての今後の課題などをあげる。


洋「真太郎は仕事やりながらでもよくやってると思うよ。」


うっ!!!!

まだ辞めたこと言ってねぇ…。

真太郎のみならず男たちは同じ感情になる。


洋「もうこの時点で仕事を辞めても十分だと思うけど、辞めて近々札幌には越してくるということは考えているのかい?」

真「はっ…はい!いずれは札幌に来てもっと活動に力を入れて更なる高みを目指したいです。」

洋「おっ、いいね。早くおいでよ。」



実はもう仕事を辞めてホテル暮らしをしていることを昨日言いそびれていたのであった。

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