第11話 まりりん

女「マリはさぁ、彼の事どう思ってるの?」

早「いやぁ…別に何とも…。」


俺はこの一言に対し、周りは苦笑いをした。

表情を出さなかったが、少しだけ悲しい…。


ノ「マリちゃんそれはショックだろー。相葉くんも今日初めてちゃんと喋ったんだからもっと仲良くしないとさ。」


ノブさんのお言葉はありがたいが、少しグイグイ行ってるような気がする。



相葉は小・中学生の頃、友達にちょっかいをかけたり人との距離感がわからず、異性からはあまり好まれるような男子ではなかった。


大人になった今であれば流石の自分もわかる。

距離感をわきまえておかなければ、今後『よく店に来る相葉真太郎って奴は適度な距離感を保てない男だ』とか『今後も店に来るって事は私の好感度を上げるためのストーカー行為だと言わざるを得ない(※相葉の被害妄想)』とレッテルを貼られてしまだろう…。



女1「じゃあさ、マリの愛称決めよ?」

早「えっ、普通にマリでいいじゃん。」

相「じゃあ…マリさんでいいですか?」

大「それじゃあ堅いよ相葉くん。もっと可愛く呼んであげないと。」

女2「マリって可愛いよりもカッコいいって言われがちだから、相葉くんがもっとマリの可愛さを引き立ててあげないと…。」

早「いゃ、いいよぉ〜〜!!恥ずかしいからやめてっ!!」


相葉の中で、麻里恵の事をどう呼んでみたいかは決まっていた。


女1「早く!呼んであげて!」

早「いや!呼ばなくていいから!」

女2「いいから早く!」


麻里恵は諦めたかのように相葉の方を向き始めた。


「ま…まりりん!」


少しどもったけど、思い切って呼んでみた。


「もう一回!!」


ノブさんからのアンコールがかかると、さっき以上の自信を持って叫んだ。


「まりり〜〜〜〜〜ん!!!!」


すると、麻里恵は恥ずかしそうにしながら物凄い早足で相葉に近づき、袖を掴んだ。


「何がまりりんよ〜〜!!」

「ごめん!恥ずかしかった?」


無意識だったが、相葉は麻里恵に対しタメ口になっていた。


「ち…ちょっと…一発だけ。」


と言って、麻里恵は相葉の目の前で自らの拳を見せつけた。


「いやんっ…。」


と相葉はふざけてニコニコしながら待ってると


バンッ!!!


「イッタアアアアア!!!!」


麻里恵は相葉に対して強めの拳の一撃を放ってきた事に驚いた。

それよりも、想像以上に力が強かったことに驚きだった。


なぜだろうか…。

相葉は不意に笑ってしまった。


大「どうしたの?何…?叩かれて嬉しかったの?」

相「違いますぅ〜ふははは…。」

ノ「いや〜よかったな相葉くん。やっとマリちゃんとまともにコンタクトが取れて。」

相「は…はい〜。まあ〜。ふふっ。」

女1「面白〜い。」

女2「まじウケる〜。」



まりりんがニコっと笑っていることに、相葉は気づいていなかった。

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