第10話 寿司よりもパーティー
夕食に1人で回転寿司に行こうとした相葉は、昨年末まで同じ派遣元からの同じ派遣先で働いていた大森と偶然会ったことで、小樽運河の向かいにあるホテルのパーティーに参加することになった。
相葉は大森と一緒にパーティー会場であるホテルに向かった。
「ジョーじゃねぇか!」
「おつかれちゃんノブ!」
「あれー!?ジョーがまさか友達誘ってくるとは!」
「あー前働いてた所の友達なんだ。」
ノブという人はガッチリしてて筋肉もあって力に自信がありそうだ。
「初めまして!」
ノブさんは笑顔で迎えてくれた。
「は…初めまして。」
「ジョーの友達かい!?」
「はい。前に一緒に働いてた所で友達になりました。」
「それさっきも聞いたわ〜。」
大森さんとノブさんは「がははぁ〜!!」と高らかに笑う。
大「一緒に温泉行ったりしたもんね〜。」
相「はい。温泉めっちゃよかったです。」
ノ「へぇ〜。温泉行く仲なんだ〜。」
大「そうだよね〜相葉くん。」
相「はい。そうですね。」
こんな楽しい感じで挨拶は終わった。
◇
相葉は2人に導かれるまま、ホールに案内された。
丸いテーブルがいくつも並んでいて、まるで結婚式のような感じがする。
「あ〜〜ジョーくんだー!」
5人くらいで集まっている女の子が大森さんの名前を呼ぶ。
「隣の男の子は〜?」
「友達〜〜!?」
女の子が俺のことを気になっているようだ。
大「そうそう。前に働いてた所で友達になった子なんだ。俺より10歳若いよ。」
女1「え〜〜若い〜〜。」
女2「ってあんたもその子と3つしか違わないじゃない〜。」
女1「でもあたし今年で30だよ!?まだ20代が続くって本当羨ましい〜。」
女の子たちの会話に相葉は自然と笑顔になった。
「かわいい〜!」
この一言に相葉はますます照れる。
「ねえねえ。そっちの女の子にも挨拶して?」
相葉の右前にいる女の子だ。
その女の子を見て思った。
どこかで見たことがある。
相葉は一瞬で思い出した。
相葉の2歳年上だ。
早「あっ…よくお店きてくれますよね。」
相「あっ…はい。回転寿司で働いてますよね。やっぱりそうでしたか。」
大「えっ!相葉くん何でそんな詳しいの?」
大森の一言に周りは爆笑する。
ノ「好きだったんだもんな!?ガハハ!!」
女の子たちは息はバラバラだったけど、「えっ?好きだったの?」みたいな感じで聞いてくる。
相「いや、そうではなくてですねぇ…見覚えあるってすぐわかったんで…」
女1「ってことはねぇ…!」
女2「好きだったってことでしょ?」
相「いやぁ…そっ…そういうことじゃ…!」
初めて会ったにも関わらず、大森さんの知り合いに愛されてイジられる俺だった。
俺から見た早川麻里恵ちゃんは、ムチムチのギャルって感じの金髪の女の子。
俺からしたらお目が高い。
クールな雰囲気の女の子は笑顔になると、そのギャップのせいか可愛く感じてしまう。
俺にとっては女の子というよりも、お姉ちゃんという感じがする。
ぐふふ…。
まりりん。可愛いあだ名思いついた。
ちょっかいかけて愛のある仕返しされたい。
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