第5話 どこにいるの?
俺は、今までに失敗してきたことや報われなくて悲しい思いをしたこと、そして何よりも今は前向きに希望に満ち溢れて生きていることなどを考えながら小樽市を満喫していた。
翌日は、小樽駅から2駅離れた
もちろん何も考えず、ボタン海老•中トロ•大トロなど、普通の人が1皿食べるか食べないかのネタも2皿3皿お構いなしで食べていた。
夕食は、またも小樽運河を眺めながら食べられる洋食レストランに行った。
小樽運河もいいけれど、チーズハンバーグがたまらなく最高に美味しい。
俺の定番は、また更にチーズをトッピングすることだ。
俺はこの洋食レストランではもうこれしか頼まないのである。
(※実は昨日も同じメニューを頼んでいた)
お腹いっぱいになった後の大浴場は最高だ。
昼も夜も美味しいごはんを食べてから、湯船に浸かって歩き疲れた身体をリラックスさせる。
ここまでの余裕が自分にあって本当にいい。
◇
翌日。今日は水曜日。
起きたのは10時半頃だった。
大学時代の話だが、1限目の開始が午前9時で、2年生や3年生の時、1限目に間に合うように席に着くことが謎に難易度が高かった。
小学1年生ですら8時15分までに自分の席に着くことが当たり前にできるのに。
あっ、それ以前に出勤が8時半からだったな。
まあいいや。
とりあえず俺は、もう朝と昼を兼ねての食事でいいやと思い、ハンバーガーチェーン店に足を運び、ハンバーガーを頼んだ。
俺が食べたのは"とびきりチーズバーガー"というものだ。
普通のチーズバーガーと違い、チーズソースがとろっとしているのが食欲をそそる。
あっ、ちなみに気づいていると思いますが、チーズがとても大好きなのですっ!!
◇
ハンバーガーを食べ終わった後、ホテルに戻って何をしようかと考えていた時だった。
携帯の着信音が鳴った。
派遣元の担当の人からだった。
「もしもし?」
俺が電話に出ると、
「相葉くん??今さぁ…どこにいるの?」
明らかに声のトーンが今まで電話した時と違うのがわかった。
いつもであれば「あっ、お疲れ様です。」とか「今お電話大丈夫?」という言葉を挟んでくるが、第一声がそれだったから流石に驚いた。
「今寮にはいませんよ。」
濁った回答をした。
「いや、それは知ってるんだけどさ…今君の現在地を聞いてるんだよね??」
もうこの時点で言い逃れができない。
流石にこの口調には少しヒヤっとした。
「小樽にいます。」
「ちょっとさぁ…今から寮に戻ってきて貰える?」
「わかりました。」
そう答えると、次の便のバスに乗って自分の住む集合寮に戻ることにした。
それにしても電話が来る前にハンバーガー食べておいてよかったな…。
美味しいものも美味しくなくなるところだった…。
今は救済措置のないこの状況の中で、不安になりながらも、乗り切った後の事を考えながら、自分の精神を落ち着かせることに集合した。
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