第3話 北海道小樽市①

部屋の片付けが終了した俺は、もう真っ先にある一つの考えに至った。


遊びにいこう!


普通であれば、雇用契約を突然切られてこれ以上収入が入ってこないため、次の仕事が決まるまでに、なるべくお金を遣わないようにするという風に考えるだろう。


でも俺は違う。

とにもかくにも弾けようという考えだ。

時間は戻らないし、何をどう考えたって今の仕事には、もう復帰できないのだから。



そして俺は、非予約制の高速バスの最終便に乗って出かけた。


車はお荷物がいっぱい詰まれているのであまり動かしたくはない。

それよりも、車がなかったら堂々と遊びに行ったという話が蔓延まんえんするだろう。

まあ結局遊びに行ってるんだけど…。


1時間ほどで小樽おたる駅前のバス停に到着した。



小樽おたる


人口は約12万2千人ほどで、日本海に面している港町だ。

主に海産物やオルゴールが有名であり、小樽駅から坂道を下っていくと、国道5号線沿いに小樽運河とよばれる川があり、そこで舟に乗ったり人力車で町を案内してくれるといったサービスがあるのが観光の魅力である。


これまでの人生の大半は、北海道の真ん中より東側で生きてきた人間だ。


だから、札幌市とか小樽市に住むというのが自分にとっての憧れであった。


今回の住み込みの仕事で、日本海側にある田舎町に来たことによって、週末には主にマイカーで足繁あししげく小樽市に来ていた。


それ以上に、週末はよく札幌市で1人でまたは友達と遊んだりすることが多く、小樽市を通過するだけのことが多くなっていた。


そこで、今回は久々に小樽市で一夜を満喫しようというのだ。



予約したホテルは、大浴場付き1泊5,200円のシングルルームだ。


大浴場は深夜でも入れるし、露天風呂もあるのでリラックスにはもってこいの宿泊施設だ。


俺は早速ホテルにチェックインし、4階の445号室に入る。

それはそれは何ともオシャレな空間だ。


扉の鍵を開けて中に入ると、その先にスライド扉がある。


"ここは玄関です"と言わんばかりの空間に衣類をかけるスペースと洗面台がある。


スライド扉を開くと、広い空間に机と椅子に、ベッドやテレビなど色んな物が揃っている。


部屋の奥に扉があり、そこにはトイレがある。

その隣にシャワールームがある。


浴室とトイレが一緒になっているホテルが多いが、それらが分かれているのも魅力の一つだと思っている。



おっといけない!

このままベッドに横たわっていたら気持ちよくて眠ってしまう。


夕食を食べに行こう!!


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