第6話


告白して一週間が経ち、また月曜の一限がやって来た。

俺は朝から少し…いや、かなり落ち着かず、早めに大学に行き、一人でパソコンを打ちながら彼女が来るのを待っていた。

なんとなく、気まずさはあった。それでも、彼女に会える嬉しさもあり、授業も頑張ろうと思えた。


彼女は、授業開始5分前に姿を見せた。そして、ほとんど無表情のまま俺の近くまで来ると、何事もなかったかのように席に座った。

彼女と俺は、最近同じプレゼンを進めるペアになって、授業を受講している。そのせいもあってか、なるべく近い席に座ってくれたのだろう。そこに、彼女の親切さが見えた気がした。

「…おはよう。」

俺は、勇気を出して、隣の列にいる彼女に声を掛けた。彼女は、一度肩を上げて驚いた素振りを見せたが、すぐに冷静さを取り戻して俺の方を向いた。

「おはよう、新城くん。」

彼女は、告白する前と変わらず言った。

「…先週は、突然ごめん。」俺は、どうにかして会話を続けようと、先週の話を持ち出した。「あれは、本当だから。」

「……そう。」

彼女は、少し動揺した…気がしたが、冷静にそう言うと、自分のパソコンに向き合って作業を始めた。


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