第9話
飛光がニュージーランドに行って3日目の日の放課後。
「あ!緑川くん!」
「あ、先生」
「どうしたの?飛光ちゃんが恋しい?」
「いや、べつにそんなことは…」
「まぁそうだよね出会ってからずっと一緒にいたんだもん寂しいよ」
「そうですか?」
「そうでしょ」
「先生、飛光のことを気にせずに飛光が帰ってくるまで待つっていう約束だったんですけど、すごい気になっちゃうんです どうしたらいいと思いますか?」
「いいじゃん気になって、それが飛光ちゃんへの緑川くんの気持ちでしょ?」
「そうですか… でも一応約束なんです」
「約束ね… 飛光ちゃんの事信じてる?」
「はい、もちろん」
「で、今飛光ちゃんの事どう思う?」
「内心ドキドキしてて飛光がもしなにかあったら、とかもし帰ってきてなんの賞にも選ばれなかったら…そう思います。」
「じゃあそれは飛光ちゃんの事を信じられてないんだよ」
先生が真剣な顔で話し始めた。
「飛光ちゃんの事を信じていたら、飛光ちゃんなら絶対できる!そう思えると思うよ。でもさ人間だし仕方ないよそう思っちゃうのはだってそういう考えで育てられてきたんだもん」
「そうですか…、」
「うん、あ、先生の話聞いてくれる?」
「え、はい」
「先生さ、結婚するべきだと思う?」
「え?」
「いや、緑川くん大人じゃんだから話してくれるかなって思って」
「そうですか、先生この間好きな人が死んじゃったって言ってたじゃないですか。その人はどんな性格だったんですか?」
「性格ね、その子、
「優しい子ですか、なら先生が幸せになるのが夢なのではないでしょうか」
「私の幸せ?」
先生が純粋な目でそう言ってきた。
「はい、幸せです。みんな幸せは違うと思います。だから第一にみんなのことを考えるような優しい人なら先生の幸せを願うと思います。先生の幸せはなんですか?」
「私の幸せ… 難しいね」
「そうですよね」
「じゃあ先生考えるわ 明日も放課後いる?」
「はい、いると思います。」
「じゃあまた話そ がんばって考えるから」
「そうですか。頑張ってください。それでは」
そして俺は家に帰った。
「今日遅かったねお兄ちゃん」
「先生と話してた。」
「へー、なんの?」
「幸せの話」
「なにそれ、また真面目なこと言ったの?」
「そりゃ真面目な相談だったし?」
「そっか」
そしてその日は眠りに落ちた。
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