第8話
「ねぇ、奏、今日一緒にご飯食べない?」
「いいよ」
この日から飛光は星空の写真を撮るためにニュージーランドにいっていた。
「ねぇ、奏将来の夢決まった?」
「一応保育士」
「へー、実はさ私アイドルの夢諦められなくて」
灯は小さい頃からアイドルになる。そう言っていた。
小学生の時、
「将来の夢をこの紙に書いて提出してくださーい」
「ねぇ、奏は何になりたいの?」
「俺?俺はわかんない、」
「そっか、私さ、アイドルになりたいんだよね」
「そうなんだ」
「アイドル、でもいずれ諦めるかもしれない、とりあえず高校生くらいになるまでにあきらめてなかったらアイドルになる」
「へー、がんばれ 応援してる」
「ありがとう!」
なんていうことがたくさんあった。
「いいじゃん」
「え?」
「夢があるのなら進めばいいよ」
「やっぱ奏って優しいよね 飛光は?」
「飛光は成長して帰ってくる、俺が手出しはしないだから、今一緒に頑張るのは灯だけ」
「そっか、ありがとう。でも飛光が帰ってきたら…」
「俺は飛光の方へ行く」
「だよね、知ってた。でさ、この間の写真、私なんだ計画したの」
「知ってた」
「え?!なんで…奏はなんでもお見通しだね」
その時の灯は笑おうとしながら泣いていた。
「ずっと一緒にいたからな」
「だね ごめんね私がこんなんで」
「いや、灯が灯だから今があるんだよ」
「ありがとう」
「…………」
「あっちゃんね、俺の前では飛光呼びか」
「だめ?」
「いや、むしろ嬉しい」
「なんで?」
「みんなに裏切られてからみんなが離れてる気がしたから、まだ近かったんだって思って、」
「そっか、裏切ったとしても奏の近くにはいたいよ。私だっていたいし、でもさ成田のこともあるし仕方ないんだよ」
「まぁ、そっか、じゃあありがとう!」
そして俺は教室へ戻った。
「そっか、みんな近くにいたいんだ…」
そう思った。
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