第7話

「みんなー、将来の夢考えてる?」

「せんせ~はなんでせんせ~になっなんですかー、」

「私はね、」









「こいつうぜぇ」

「やめてください、痛いです…」

「あ?何いってんだよバーカ」

「弱いもんが声出すな!」

「…」

「いいね、そうだよ黙っとくべきなの ねぇ、彩心」

「そ、そうだ!」

(………)



とある日の放課後の教室。

「あのさ、」

「ひぇっ!」

「怖がんないで、いくら女番長って呼ばれててもこういうときは手は出さないよ」

「ほ、本当ですか?…」

「ほんとほんと、あと、敬語今はいいよ、やめて。でも、あいつらの前では敬語な?うるさいからさ」

「は、うん!」

「いいね、いい感じ で、何してるの?」

「テスト勉強、最近テスト近いし」

「げ、そうなの?!」

「もしかして…」

「なにもしてない!… ねぇ、勉強教えてぇー!」

「いいよ、」

「え?!いいの?!やったー!!」

「じゃあノート開いて」

そこから2人で勉強をした。その時の彼の姿はとてもかっこよかった。

「かっこいいじゃん」

「え?…」

「いや、なんとなく?勉強教えてるときのかけるめっちゃかっこいいなって思って」

「いや、五十嵐さんもかっこいいと思うよ 僕のことをいじめてくるときはそりゃ怖いけどそれは力であって勉強の面では違うと思うよ」

「……私先生になるわ」

「え?」

「将来の夢!教師!かっこよくない?!」

「かっこいいよ」

「ありがとう!」

「いきなりこんなこと言うのもなんだけど実は僕次のテスト終わったら学校来ないんだ」

「え?!なんで?!」

「入院するんだ」

「え?…」

「治療法が曖昧で治るかどうかもわかんない病気で、だからそれで入院するんだ」

「そうなんだ… あのさ、翔は何になりたいの?」

「え?…」

「将来の夢!」

「教師、教師になりたいみんなに勉強を教えてたい。」

「そっか… じゃあ私、絶対に教師になる」

「え?」

「翔の夢であり、私の夢である教師は翔が生きても死んでも2人でなるしかないじゃん」

「でも、死んだら2人ではなれないし、生きててもなれるかどうかわかんないし…」

「なるんだよ!何が何でも! 翔が生きてたら私と2人で絶対に教師になる!で、もし死んじゃったら私が2人分兼ね備えた最強の教師になる!誓う!」

「そうなんだ、頑張ろうね、」

「うん!2人でね!じゃあ私今日は帰るね!ありがとう!」

「うん!」

そして私は必死に勉強した。

「ういー、彩心!今日どこ行く?!」

「ごめ、勉強」

「えぇー、?いいの?せっかくの一時の青春時代なのにぃー」

「ごめんね!」

そしてテストの日はしっかり乗り切った。そして点数発表日、私の点数は過去最強だった。

「え?…」

「ねぇー、彩心なんてぇーん?…」

「やばい 超高い…」

「え…彩心…」

すると隣のクラスから翔が走ってきた。

「五十嵐さん!どうだった?、、、」

「過去最強!!!」

「良かった!…」

「学年ランキングは?、見た?」

「うん、」

「何位だった?」

「一位が僕で… 2位が五十嵐さん」

「え?…」

私は放心状態におちいった。

その時周りの声は聞こえなかった。






「五十嵐さん、行ってくるよ病院、」

「うん、いってらっしゃい頑張ろうね!2人で!」



そして数カ月後翔のお母さんがうちに来た。

「あの、翔の母です。五十嵐彩心さんいます?」

「はいー、翔のお母さん!どうでした?翔、」

「実はもう死んじゃって…」

その時翔のお母さんは泣いていた。そして勇気づけたいと思った自分がいた。

「それで、翔の物見てたら、翔の日記を見つけて、彩心ちゃんに渡してって書いてあって、渡しきたの、」

「ありがとうございました。そんな、翔死んじゃったんですね、私がんばります。将来の夢、翔と約束したので」

「教師ですか?…あの子は小学生のときから教師になりたいって、… すみません、人の人生も踏み入れてしまって… 別に教師にならなくていいんですよ」

「いや、なります。先に決めたのは私なので」

「そうですか、それなら頑張ってください。」

「はい、そして私は翔と約束したんです。もし死んじゃったら私が2人分兼ね備えた最強の教師になる!誓う!って、」

「そうでしたか、なら良かったです。それでは、」

そして日記を見ると

教師になりたい。

絶対になる。

なれない気がする。

そういう内容ばかりだった。そして一番最後のページをめくった。









五十嵐彩心が好き。

















「せんせ~いい話すぎー」

「だから先生はこうなったの 前はもっと怖かったんだから」

「えー…」

「感動的!」





「ねぇ、奏って、将来何になりたいの?」

「わかんないでも、子供は好き」

「じゃあ保育士とか?」

「それでもいい。とりあえず子供も関わっていたいな」

「そっか」











「頑張ってね」

今日はやけにその言葉が響いた。

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