第3話
「おにいちゃーん」
家の中で妹の声が響く。うちの親は同じ会社で上司の方に「一緒に帰っていいよ」と、言われているらしく、遅くても早くても必ず2人で帰ってくる。そして最近帰りが遅い。だからいつも妹の桜と2人で何かをすることが増えた。
「お腹減ったー、お兄ちゃんなんか作ってよ」
「お前が作れよ中2女子なら作れて当たり前では?」
「はぁー?いまどき作れない人もいますー!」
「俺はご飯作れない女子無理だけど」
「… 一緒に作ろ?」
そしてご飯を作り始めた。
うちの桜はなんか昔からいつも俺のことが好きみたいだ。
「ねぇさ、桜、」
「何?」
「お前俺の事好き?」
「え、うん。もちろんお兄ちゃんとしてだけど、大好きだよ!」
「まじか、ありがと」
すると桜はニコッと笑って
「いいえ」
と、言った。
「ねぇお兄ちゃん、これさ、こんなにやってていいの?」
「おいおいおい、火、止めろよ!」
「えー?すみませーん」
「これは一旦やめて、こっちやれ!」
「はーい、」
そしてなんやかんやで夜ご飯が完成した。
「おいしー!」
「また明日もやるか」
「うん!」
そして食後に2人でテレビを見ていた。
「この人おもしろ~い!w」
「わかるw」
すると俺のスマホが鳴った。
ピンコン!
「え?」
そして俺はスマホを見た。
「あの、これから奏のお家行っていい?」
そう、メールが来ていた。飛光からだ。
「桜、今から飛光が来る。いい?」
「飛光って誰?」
「あ、言ってなかったか、最近来た転入生だ。」
「へー、女子がここに来るってことはお兄ちゃんなんか関係が…?」
「そ、そんなこと!」
「へー、なにかあるんだ… いいよ!呼んで!」
「わかった。」
そうして数十分後、
「おじゃましま~す」
飛光がうちに来た。
「かわいい!あの、名前は?」
「林道飛光です!奏の妹さん?」
「え… はい。妹です… 桜です…」
「桜ちゃんね!わかった!よろしくね!」
「よ、よろしくおねがいします…」
そう話すと桜は耳元まで来て
「お兄ちゃんの事、呼び捨てで下の名前って絶対なんかあるよね?」
「な、なにも?」
すると桜は飛光のほうを向いて
「あの、お兄ちゃんと付き合ってるんですか?」
と、言った。
「バッカ、お前…」
「そうです!」
「え?… やっぱ付き合ってたー」
「///」
「いつから付き合ってんの?」
「2日くらい前から…」
「えー? でもお兄ちゃんにこんな可愛い人が彼女って、私は信じられないわ」
「は?!」
「ホントだよ!桜ちゃん!」
「わかった。信じるわ」
そして飛光の話を聞いた。
「ところでなんでうち来たの?」
「実は私、ちょっと変な友達がいて、前の学校の友達なんだけど…」
「ねぇ、飛光ちゃん!」
「何?」
「飛光ちゃんの家行っていい?」
「ごめんねー、今日は出掛けてて、」
「へー」
「そういうメールのあと必ずうちに来るので、本当に出掛けてないと「なんで嘘ついたの?」とか、怖くて、」
「うわー、全然ちょっとどころじゃないくらい変だね」
「随分変だよ!」
そして話してる間に親が帰ってきた。
「ただいまー!」
「ただいまー、って、奏?!あんた女の子連れてきて何してるの?!」
「いやいや母さん、飛光が色々あって来たの!」
「て、ゆうか!女の子可愛すぎない?!飛光ちゃん?よろしくねー!」
「あ、よろしくおねがいします。」
「奏もついに彼女が出来たのか、しっかり守ってやれよ」
「だから!違うって!」
「え?お兄ちゃんガチでこの子と付き合ってるよ」
「おい!桜!」
「ほら!と、いうかお腹空いてる?」
「あ、はい」
「ほらー!お腹空いてるって言ってるわよ!なんか作ってやりなさい!」
「わかったよ。」
「え?奏、作れるの?!」
「作れるよ!親、いないこと多いし」
「私も手伝う!」
「あ、なんか手伝う?じゃあ私がやるから、桜ちゃんはいいよ」
「わかりました…」
そして何かしらのものを作り始めた。
「うん、画になる…」
「桜!何してんだ!」
「写真撮ってる。これ私のお姉ちゃんっていう。」
「は?! ……//」
「まぁでも言ってしまえばそうだもんねー!」
「はいー!」
「なに、団結してんだ…! じゃあもう出来るから飛光座ってていいよ」
「わかった!」
そしてご飯ができ、飛光はご飯を食べ始めた。
「美味しい!こんなの作れたんだー!」
「あ、ありがとう///」
「うわー、お兄ちゃん照れてるー、」
「は?!//」
「ふふっ仲いいんだね!」
「飛光、兄弟いないの?」
「いないよー、一人っ子だから羨ましい」
「へー、そういうもんなんだ」
桜と飛光が姉妹に見えてなんか面白かった。
「姉と妹と俺… いや、そんなことはない!」
「なに?お兄ちゃん、怖いよ」
「いきなりどうしたの?声に出てたよ。あと、姉って、まだ考えてるんだ」
「え?!いや?!」
「お兄ちゃんって嘘つくの下手だよね」
「なっ?!//」
「ほら、照れてるし」
「…////」
最近飛光に出会って楽しくなった気がする。
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