第22話 四章②『狂人』
病田凪という者について話しておこう。
彼、もとい彼女は生まれたときから男でもあり、女でもある。
それだけではない。
時として老人にもなり成人でもあり赤子や幼児にもなれた。
もうどれが本当の自分なのか、それすらも分からなくなる程の刻を過ごしていた。
それは病田凪という人格が壊れてしまうまで続き、やがて一つの結論に至る。
あぁ…………そうか。
自分がおかしいのではなく、この世界がおかしいのだと。
自分は特別であり世界を救うために神に選ばれた者なのだと。
理想の世界を求め―――――この狂った世界を正す。
それが自分に、
いや、我らに神が与えたもう試練なのだから
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