第21話 四章①『始まりの終わり』
神災禁忌区域で洸太郎と大和は暫くの間動けずにいた。
先ほどまでたち込めていた障気は今は消え去りあとは救助を待つばかりだった。
「おい」
不意に大和が口を開いた。
曇天の空模様を地面に大の字に寝転がりながら見上げ気になったことを口にする。
「……………〝戦神〟殿は何故やって来ないのだ? 最早試験どころでは無いだろうに」
「イクサガミ? 誰だか知らねーけど神代のオッサンと金村さんは現状知ってるハズだぞ? アナウンス流れてたし」
だが確かに妙だった。
あれから時間は結構経っているはずだが誰も来る気配がない。
しかも不気味なほど静かだ。
色々な考えが浮かんでは消える。
もし来なければ何かあったとしか考えられない。
どうしたものかと考えているとパチパチパチと軽快な音が響く。
「いやぁ、凄いね二人とも。まさかまだ鎮守じゃないのに
その声を聞いたとき、ふと洸太郎は違和感の正体に気付いた。
「あー、そう言えば俺も聞きたいことあったんだわ。何でお前はろくに自己紹介もしてねぇ俺の名前を知ってたんだ?」
そこには顔面蒼白になって倒れていたはずの病田凪が立っていた。
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