第17話 三章②『破壊衝動』
「いいぞ、もっと壊せ!」
ローブで隠しているので表情は分からないが、その者は歓喜に満ちていた。
神災禁忌区域、まがい物とはいえ造られた禍神、そして禍核に込められた怨念―――――今度こそ不備はない。
実際に鎮守の候補生たちはなす術もなくあの禍神に手も足も出なかった。
何の力も持たないあの男も倒れた。
あとは〝戦神〟だが、それについては対策は済んでいる。なので奴さえどうにか抑える事が出来れば我々の勝利だ。
そう確信していた。
しかし、ここでその者にとっての誤算が生じた。
二メートルあるほどの体格にその者は顔が傷だらけの大男が禍神に立ち塞がったのだ。
恐らく参加者の一人なのだろうが、それでも災禍狩具を持っていると言うことはそれなりの力を持つ者なのだろう。
ならば、
――――――――――殺せ。
ただその一言がトリガーとなり禍神は雄叫びを上げる。
もはや全てを蹂躙するまでこの禍神は止まらない。
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