本当の自由

第28話 手つかずの秘境

 漁村の滞在から1週間。街の北西側2日の距離にある丘の上に来ている。ここから西に降りれば川があり、

 北には豊かな森がある。遠くには馬の群れが草原を走り、兎や鳥が見える。

 いいじゃないか。最高だよ。


 クレイトンとスレイマンの紹介で、この地のどこか好きなところで10エーカー分けてくれるらしい。

 ならばと、川沿いの森近くにしようという事になって、ここまでやってきた。

 見渡す限り、手つかずで何でもできそうだ。


 だが、重武装の案内人は、途中までは説明するために同行していたが、そそくさと逃げるように帰ってしまう。

 やっぱり、おかしい。


 フェイスは楽しくなって、うわーって草原を走り回っている。

 というか、時速200キロくらい出てないか?

 とても狼のものではないし、上げる声が人だ。


 丘はなだらかで、人の行き来のない街道が西へ続き、森は豊かで、川は十分な水量を湛え、少し向こうに湖が見え、川の傍の平原はなだらかで豊かである。


 川に降りてみると、イーリスが次々と何かを拾って見せてくる。

 ちょっと見ただけではわからないが、希少な鉱石を含む石であるらしい。宝石もあるが、割らないと出てこないから、諦めるって・・・。

 上流には金が採れるだと・・・。


 なんでこんなところをほいほいとくれるんだろう。

 何か問題を抱えているからに違いない。


 ドローンから索敵し、敵になるものがないか、生態系がどうかとか調べてもらう。


 森の中には

 狼が1600頭

 牛が5300頭

 馬が2800頭

 山羊が7800頭

 3メートル級は2500頭 ん?

 猪が3600頭

 4メートル級が1700頭 ん?

 報告がだんだんおかしくなってくる。

 鹿が2700頭

 3メートル級が3000頭 んん?

 8メートル級の蛇が120匹 ん?

 12メートル以上が220匹 ん?

 熊が1500頭 ん?

 4メートル級が600頭 ん?

 6メートル級が400頭 ん?

 湖に3メートル級のワニが2000頭 ん?

 6メートル級が300頭 ん?

 不明な6メートル級の四足歩行生物が700頭 ん?

 8メートル級が100頭 ん?

 2メートルの歩行のみの鳥が1200羽

 2メートルのサルが1350頭

 豹が900頭

 3メートル級が200頭 ん?

 小動物多数。

 人類はいません。

 ここの生態系はどうなってるんだ?


 シリカ、カルシウム、炭素、水素、酸素、リン、鉄、カリウム、、アルミニウム、マグネシウム、が主成分です。

 針葉樹が65% 、広葉樹が28%。

 銅、鉄、鉛、錫、アルミニウム、金、石英、硫黄、燐、重水素、モリブデン、クロム、黒鉛、ニッケル、イリジウム、ウラン、ネオジウム、銀、ベリリウム、タングステン、が採掘可能です。

 泥炭、有機鉱石、油田の埋蔵量は3200万t。

 窒素酸化物鉱石が150万t。

 あ。火薬庫・・・。


 地表付近の熱滞留は1200か所。

 災害の可能性のある活動は認められません。

 鉄、亜鉛、錫、銅、黒鉛、石炭、石油、ネオジウム、クロム、ニオブ、タングステン、レニウム、ベリリウムが近くで地表に現れています。

 1か所を除き、放射能は基準値以下です。

 資源も豊富だな。


 敵性生物が多数確認されています。

 殲滅オーダー実行しますか?


 いやいや。しませんて。

 キャンセルだ。


 なるほど。森が豊過ぎて、自然の驚異に勝てないというわけか。

 何だかわからない四足歩行の生物の映像を確認するとトカゲだった。8メートル・・・。


 ここから西360キロ東へ50キロ北へ300キロの範囲にこれだけいるのか。

 それは、人類では住めないわな。敵が過密すぎる。



 どうしよう・・・。




 川に近い森の傍でテントを張って焚火をし、1人と1機と1匹はのんびりしている。

 結局のところ、ここに拠点を移すことになった。

 資源が豊かであり、フェイスが一番喜んだ場所だ。

 イーリスも楽しんでいる様だし。ずーっと山を見つめて、あそこにルビーがーとか蔓の汁がーとか言っている。

 普通はあり得ない場所へ住居を構えようとしているのはわかっているが、気に入ってしまったのだ。

 私たちには、この自然の驚異にも怯むことなく生活できるという理由もあるが、何でもアリというのは大きい。


 1時間に一度くらいのペースで大型動物を狩るものの、それほど脅威には感じられない。

 ブラスターがあるしね。




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