2 ゼロメソッド

 では、著者が考える仮定を早速発表いたします。


 英語(言語)とは、「表現したいことに対しての下描き」をする方法


 たったこれだけです。これだけでもこの先を読む必要がないかも知れません。上記仮定を胸に秘めて、Japan Todayなどのニュースサイト、もしくは漫画・アニメを英語字幕で見に行くなどして下の文を読まず、このエッセイから抜けられ、たまに戻ってきて読まれる形でも全然問題ないと思います。次ページを著者がアップしているようであれば、この時点で次ページに飛んで頂いても構いません。


 余談はさておき、あまりに単純なので驚かれたかも知れません。ゼロメソッドなどという大そうな名称をつけましたが、もう一度言います。たったこれだけです。どういうことなのかを文法等に沿って説明していくのかは後ページに更新していくとして概要を説明致します。

 著者は英語に非常に苦しんだ人間で、長年まったく英語が理解できませんでした。親に英語塾に数年通わせて頂いておりましたが、まったく話せるどころか文を読めるレベルにも達していませんでした。自分が望んで通っていたわけではないのでやる気がなかったこともありますが、何年経ってもできないのは自分が言語障害でもあるのではないかと悩んだほどです。

 ですが、ある一時点でとある疑問がふと湧いてきました。果たして理解とは何なのだろうか、という疑問が。著者は先ほど「理解」と述べました。この理解とは本当に何なのか。よく学校の先生方が英語の理解力とか言ってますが、何ですかそれは? それが「英語の理解力」なのでしょうか。

 テストの点数ですか? だとしたら、日本語の国語の平均点並みに取れていれば良いわけですから、少なく見積もっても三割前後の日本人は完璧に英語が話せるようになっているのではないでしょうか。

 著者はかなりこの「英語の理解」というものに疑問を持ち始めました。ですが、国語辞典等で「理解」を調べてもそこに書かれていることはわかりますが、英語に対しての理解とは何なのかまったくわかりません。はい、英語の「何を」理解すれば良いのかわからないから当然ですね。

 ですが、ここでわからないで終わっては何にもなりませんので、先に進んでみます。といっても何もなく進んでしまっては皆様との共通事項がありませんので、とりあえず学校で習った「英語」を列挙してみましょう。

 ・単語の発音、単語のスペル、単語の意味

 ・英訳、和訳

 ・文法

 ・読解

 ・ヒアリング

 ・絵(イメージ)で覚える

 まだあるかもしれませんが、大きく分類するとこんなものでしょう。

 上記の一番の問題は、単語の意味、であると思います。意味って何なの? ってなりますよね。日本語で勉強以外で話す・聞く・読む時意味なんてあまり考えませんよね。なのになぜか話せたり、聞けたり、読めたりします。ですが、英語になると全然わからない。なぜこんなことが起こるのでしょうか。

 また、和訳も問題だと思いませんか? 長年和訳を中心に教育してきたのに日本人のほとんどは全然英語ができるようにならない。つまり、ほぼ確定的に和訳で英語を教えるのは間違っていると述べても過言ではないと思います。

 そして、英語教育者は、なぜかどうやって「英語を理解」すれば良いかは誰も教えてくれません。例えば、サッカーの指導者だったら、強いシュートの打ち方を教えてくれますよね。で、「強いシュートの打ち方を理解」したら、ほぼ九割以上の人が六年くらい指導を受け続ければ個人差はあれどある程度直線に強いシュートを打てるようになります。ですが、英語は中・高合わせて六年程度、大学、もしくは映画などで英語を聞いているのにもかかわらずまったく英語ができない人がほぼほぼだと思います。当たり前ですよね、「ある程度英語を理解」する仮定さえ教えてもらってないのですから。

 私が冒頭で述べたゼロメソッド「表現したいことに対しての下描き」については、これが100パーセント合っているなどと言うおこがましいことは述べるつもりはありません。自分の英語力が大したものであるとも思いませんし。ですが、「ある程度英語を理解」することができるであろう仮定を皆様にお伝えすることはできます。こうやった方がより単純に理解して使えるようになるのではないか、という方法を知らせることと同義です。

 さて、実は学校で習ったと箇条書きで述べた箇所に一つだけ異質なものを含めたのを皆様はお気づきでしょうか。

 はい、

 ・絵(イメージ)で覚える

 ですね。

 これは先生によるとは思いますが、このように教える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 著者の考えでは、これは確定的に間違いです。

 英語なり言語が、絵(イメージ)で覚える(使う)ものだとすると確定的におかしいのです。

 なぜなら単純な絵には過去も未来もないからです。あるのは「固定化された絵」だけです。なのに実際にはどの言語でも過去形・未来形などが存在します。ですので、「固定化された絵」ではないはずです。

 では、それは何なのか。

 はい、もちろん、

 「表現したいことに対しての下描き」する方法

 ですね。

 

 英語が下描きであるとするとどうでしょう。もちろん未来だって過去だって入れることはできますね。ここ描く予定とかで良いわけですし、描いたことにしとこう、とかでも良いわけです。

 逆に固定化された絵やアニメの動画のようなイメージしてしまうと、認識障害のようなものが発生してしまうと著者は考えます。

 「固定化された絵」であれば先述した通り過去・未来を入れることは不可能ですよね。完成されてる絵をイメージしているわけですから。

 ではアニメーションでしょうか?

 これは例えば英語の順番でアニメを考えておかしいのかどうか検証してみましょう。そうですね、例えば皆さんが大嫌いな「I have a pen」で。


 では、I have a penの場合、日本語の状態を考えてみることにします。

 この際、aはとりあえず無視することにします。


 私がいる 持ってる状態 ペンという存在がある


 こう聞くと問題なさそうに思えますが、アニメーションで考えると以下になります。


 カメラが私がいる状態を映す 次にカメラが私が持ってる状態を映す 次にペンを持っている状態を映す


 こんな面倒なことを話す時に考えている米国人や英国人がいるでしょうか。

 おそらくいませんよね。映す順番も私の次にペンを映した方が持っていることには想像できるのにそうなってないから、かなり不便ですし。当然ですが、そんな不便なことをするわけがありません。


 では、下描きはどうでしょうか。試してみましょう。


 私がいる 持ってる状態 ペンという存在がある


 先ほどの例文と同じですね。といっても日本語ですが。

 ですが、下描きですので未来であろうことや過去を入れても問題なさそうではありませんでしょうか。例えば下記のように。


 (木の下に)私がいる (未来に)持ってる状態 ペンという存在がある

 (木の下に)私がいる (過去に)持ってる状態 ペンという存在がある


 ここでの思考としては表現したいことに対しての下描きであるのですから、修正したって何だって良いわけです。未来になろうが過去になろうが。そして、聞いている側も読んでいる側も絵やアニメーションをイメージしているわけではありません。「下描き」なのですから、英語の「下描き」する方法で修正しても構いません。そして、英語の「下描き」する方法であれば質問で疑問に修正したって構わないわけです。「下描き」という絵は固定化されていないわけですから。

 つまり会話や言語を通してのやりとりは、その言語の「下描き」する方法で修正を何度も重ねて行うものであり、最初から伝わるなんてことはほぼないのです。

 なのに学校の英語授業では最初からそれが「固定化された絵」で伝わる、もしくは「別の言語の下描き(日本語)に置き換える」方法で教育しています。これではいつまで経っても使えるようにならないような気がするのは私だけでしょうか。

 「別の言語の下描き(日本語)に置き換える」方法など、最も最悪な方法であろうと著者は思っております。あるデッサン法で描かれた下描きをまったく別なデッサン法の下描きで塗りつぶしてしまったら、どうなりますでしょうか。もはや「下描きでさえない真っ黒な下描き」が脳内で出来上がるのではないでしょうか。

 色々と書いてきましたが、つまり米国人や英国人のように「英語で下描き」する方法でやりとりをすれば良いだけで、それ以上でも以下でもないというのが著者の仮定となります。付け加えると、すべての英文法は「英語の下描きの方法」だからそうしている、で解決します。それ以外に理由なんてありません。

 前のページとこのページはあえて文章を多めに書きました。後のページは文法に照らし合わせた仮定を考察していくつもりなので、面白くなくなって読まない方もいらっしゃるかと考え、二ページでそのエッセンスをお伝えするためとなります。次ページからは文章を減らしていく予定です。

 

 長文読了お疲れ様でした。



 

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