>その日、大海蛇の末裔は水底に還った。
美しくて、なんと悲しい一文でしょうか……。
残された人たち、国家は、どうなっていくのかな……
作者からの返信
黒河あこ様、コメントありがとうございます!
この戴冠式パートは第一章のクライマックスとなっており、貧相な私のボキャブラリーの中でも、とっておきの表現を余すことなく注ぎ込んでいました。
少しでも響くものがありましたなら、幸いでございます。
アルノーの残した影響は甚大でして、今後は今回の出来事を契機に発生する様々な事象に、フォーカスが当たっていく予定です。
今回もご高覧頂き、ありがとうございましたm(_ _)m。
編集済
歴史を見守ってきた荘厳な大聖堂が崩れ去り、アルノーとともに水底に消え去る光景が、目に浮かぶようでした😭
そして、残されたアーネたちが見た黄昏の、無情なまでの美しさー。
人が作り上げた歴史や個人の志は、こうも呆気なく泡沫のように消えて、そこに静かに残るのは、それらを見届けてきた太陽や海原だけ。
人の刹那的な営みと普遍の対比の美しさが、強烈で、胸にぐっときました。
アルノー、とうとう物語から退場とは。
思ってもみませんでした。
残していった憂いも多く、これからどうなるんでしょうか。
引き続き、楽しみです!
作者からの返信
みた よしひと様、コメントありがとうございます!
この一章ラスト近辺は物語の節目ということもあり、情景描写多めになっております。
色んな思いを決めて書き表したのですが、文章に煩わしさに繋がっていなければ幸いです。
アルノーの後悔や無念など、残した物のその後が、今後描かれていく流れとなっております。
引き続き、リヴァイアサンにまつわる者達の物語は続くと言いますか、今回の事件を契機に色んなことが波及して発生していく予定です。
今回もご高覧頂きまして、ありがとうございましたm(_ _)m。
全体がアルノーの物語と思ったのでリタイアはびっくり。
回復できたのに。逃げることできたかも知れないのに。……生命だけながらえても仕方ないと思ったんですね。
作者からの返信
かつたけい様、コメントありがとうございます!
お察しの通り、実はアルノーまだまだ挽回の余地があったのですが、そちらの道を選びませんでした……。
周囲が水で覆われ、大聖堂が浸水し始めている状況で、自慢の水術が楽に行使できる状況だったんですが……。
そしてここまでのお話がアルノーを中心とした物語だとすると、ここから先のお話は、アルノーにまつわる者達の物語に変化していきます。
今回の事件を大きな起点として、まだまだお話は続いていきます。
改めまして、ご高覧頂きありがとうございましたm(_ _)m。
ついにアルノ―最期の刻。
英雄であることを望まれていたのに、梟雄として、しかも歴史の中でほとんど一瞬で消えていく……。
祇園精舎の鐘の声が聞こえてきそうです。
さて、この国はこれからどうなってしまうのでしょうか。
やり残した課題は多く、様子見していた潜在敵とかもいるでしょうし^^;
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
四谷軒様、コメントありがとうございます!
アルノーの夢、ここに潰えました。
まさしく諸行無常です。
お察し頂いた通り、粛清を断行したアルノーが早期に斃れたことで、あちこちに歪みが生まれてしまいます。
一章で生き残った者たちがその対処に追われ、やがてそれらが大きな事件を呼び込んで、というのが今後発生していく予定です。
平和な世の中はまだまだ遠い(むしろ更に遠まった?)状況ですねえ。
今回もご高覧頂き、ありがとうございましたm(_ _)m。
救われたのか、深淵に投げ込まれたのか、この先は予想がつきません…
作者からの返信
相ヶ瀬モネ様、改めましてコメントありがとうございます!
文庫本で言えば、丁度巻末に差し掛かった箇所でしょうかね。
そのくらいのペースで書き進めて参りました。
ここで終わっても、それはそれで綺麗な物語になる気もするのですが。
実を申しますと、私がカクヨムにきたのは、まさにこの後の物語を書きたかったからでございまして。
なのでフィナーレっぽい雰囲気を醸し出しているものの、まだ続いたりします。
そのための伏線もあちこち巻いていたので、それらを回収しつつ、物語は第二章へと続いていきます。
沢山のコメントを頂き、重ねて感謝申し上げます!
お読み頂いた方からいっぱいの反応を貰えて、作者冥利に尽きる想いですm(_ _)m。
うむむ。。。回復すればいいのに。あんなに志半ばで死ぬのを嫌がっていたじゃあないか。諦めたらいかん。。。と思いました。アルノー、色々と疲れてしまったようですが、生き残ってももう希望がないと思ってしまったのでしょうか。まあ、師を殺して王様になるということを実行してしまうような男だから、突っ走り系という感じだったのでしょう。間違った方向に突っ走ってしまいました。
作者からの返信
海藻ネオ様、コメントありがとうございます!
回復は、敢えてしませんでした。
挽回不能を察してしまいました。
志半ばで死ねないと信じ、土壇場でも立ち上がって来ましたが。
その大志そのものが凋落したというか、愛する者の為の願いを叶えるため、愛する者を殺そうとした矛盾に、彼は折れてしまいました。
ここに来てようやく頭がまっさらになって、結果全てを諦めるという選択を選ばせました。
うわーん、死んでしまった。
死んでしまったぁ。
うわ───ん!!
あああああ。
あまりこういった事は言いたくないのですが、
パンッ。
水球が弾け割れる。陸にまろびでた少女は、足をもつれさせながら、陸から水辺に一直線に駆けてゆく。
「いや───ッ!!」
叫び、泣き、今や凪いだ湖面に飛び込もうとする。
「だめっ、アーネ!」
金髪の少女が、湖面に飛び込む前に少女を捕らえる。
「いやっ、アルノー! アルノ───っ!」
少女はもがき、ただ一人の名前を泣きながら呼び、その場で膝をついた。
「わあああああ!」
いつも快活で、軍を指揮するときは明晰な少女は、そこにいない。
哀哭をオレンジ色の夕陽が溶かす。
少女はいつまでも泣き続けていた───。
見えたんですぅー。
このシーンが。
アーネは、水の膜で移動させられながら、全部わかっていたはずです。
アルノーが、今まさに、己は死に、アーネだけは助けるために力をふるっていることを。
アルノーは失われる。
自分は、共に逝くことを決意したのに。
アルノーは失われる。
誰よりも、何よりも代えがたく、愛していた男は。
それが水の膜のなかで、全てわかってしまったアーネは、水の膜のなかで、
どこにつくんだろうな?
ではなく、半狂乱になっていたはずです。
あー。やってしまった。
私、時々、口がですぎるんです。
ううう。
お気を悪くなさらないでくださいね。
どうしても言いたくなって、この長文をスマホでぽちぽち打ち込んでるんですよ、私は……!(衝撃の告白)
作者からの返信
加須 千花様、コメントありがとうございます!
気を悪くするなんてとんでもないです!
むしろこんなに感情移入して頂けて、作者冥利に尽きる思いです。
というよりも、そういうふうな場面も書くべきだったかもと考えているくらいです。
事実上の一章の区切りとなる回でしたが、ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
あとの33、34話は、一章の後日談的なお話になります。
お手隙の時間などございましたら、アルノーの物語を見届けて頂けますと、この上無い幸いでございます。
ようやくここまで追いつきました!
野望と希望の至る果て。自身の望む未来のために海原へ立てたいくつもの波紋が跳ね返って最初の中心へ返るようにして、積み重ねた因果が最後はアルノー自身を飲み込んで終わったのかな――と。
その謀略に擂り潰された数からすればあまりにささやかかもしれないけれど、それでもその最後の選択は騎士として人を護り、救うものだったのだ、と。
……いえ、ほんとにこれでアルノーの物語にエンドマークがついたかは、ちょっと判断つけかねるところはありますけれど。主人公ですし。
ともあれ、私的にとても好きなつくりおはなしでした。
近況ノートで触れられていたエピローグ的な物語で幕なのか、あるいはその後も続いてゆくのか。今の時点では分かりませんが、ここまで面白く読ませていただきました。
ありがとうございました!
作者からの返信
遠野例様、拙作をお読み頂き誠にありがとうございます。
物語中、悪事にも手を染めた彼ですが、それで得た物全てを無くしてしまったとき、残ったものが「誰かを救いたい」という最初期に抱いた思いだったのかなと思います。
因果応報の結末としては、重い方の結末を与えてしまった自覚はあります。初稿ではデウスエクスマキナ的な、ハッピーエンドの余地も残していました。
それでもアルノーならば、願いのため壊れるまで走り続けるだろうと思い直し、本作の展開となりました。
改めて、拙作にお付き合い頂きありがとうございます。
最新話まで読んで頂けるなんて、書き手冥利に尽きると申しましょうか、本当に涙が出るほど嬉しいです。
実はまだ少し(?)続きますので、そちらを書くモチベーションになりました。もしも機会がありましたなら、その後のお話もお読み頂けると幸いです。
まさか、アルノーが本当に死ぬなんて。
主人公は大丈夫。どこかそんな思いが頭の片隅にあって、最後は助かるんじゃないかと思っていました。
大聖堂が崩れていき、水が押し寄せる。そして湖の底にみんな沈んでいったのに。
それでも助かると信じていました。
アルノーの水術が皆を助けたというのに。まだ第一章なのに。
アーネの叫びが胸を締め付けて、じわり涙が。
壮大な物語を見せていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
島村 翔様、改めましてコメントありがとうございます!
はい、まだ第一章なのです……。
むしろこの先の続きを書きたくて、投稿を始めたまであります。
血染めの戴冠式と銘打っておきながらの、まさかの犠牲者一名でした。
みんな、アルノーが最後の力を振り絞って、湖岸まで送り届けました。
血染めと言いつつも、ただ1人(式の主役)の人間によって朱に染まることに収まったのですが、この世界の後世の人間も酷い皮肉を残したものです……。
おお、壮大とまで言って頂き感無量です。
陳腐にならないよう物語を積み重ねることが出来たようで、安心する思いです。
今回もご高覧頂きまして、ありがとうございましたm(_ _)m。