納税の無申告や未納、脱税、甘く考えてませんか?
現実世界でも、それらを犯せば警察よりもヤ●ザよりも容赦ない人たちがやってきます。強制調査による家宅捜査は内鍵をかけて籠城したところで裁判所認可のもとに警察立ち合いで破壊されて証拠品を押収されていくし、払える金がなくてもあらゆる物品がまた強制差し押さえされていく。
徴税はまさに国家の根幹政策そのもの、守らないものには容赦ナシ! ……というのが面白いので自作にも取り入れているのですが、世間的には税務って地味目だからエンタメ要素が少なく思われちゃうのかな~と悩んでいたのです、が!
なんとこの作品は銀河規模で宇宙艦隊が出撃しちゃう展開に! しかもゴリゴリの武装と超個性的なキャラクターたち。SFとしてスペースオペラ設定も堅実で、未来歴史的なものが好きな人にも刺さります。
大胆な二つの設定の掛け合わせが素晴らしい相乗効果を生んでます。面白い!
エリート中のエリートとして地球帝国の国税省へ入省し、順風満帆の人生を約束されていたはずの斉藤一樹。しかし彼が配属されたのは本省ならぬ場末の取り立て部署、特別徴税局徴税部第三課だった。なにせ課員は埒外な輩ぞろい、仕事は武装滞納者相手の強制執行(宇宙戦)! エリート街道から修羅場へ蹴り込まれた一樹はどうなってしまうのか!?
絶対に税金払いたくない勢を圧倒的火力で打ちのめし、絶対に滞納分を取り立てていくお役人が相打つ艦隊戦! これが実に本格的で希有な見所になっているわけですが、やはりタフなキャラクターたちと、彼らによって演じられる風情に注目していただきたいところです。なぜならこの味わいって、社会人の絶対義務をテーマにしたお仕事ものならではのものですから。仕事だから嫌でも本気で戦える。仕事だから理不尽に耐えたり耐えさせたりもする。このドライでシニカルな味わい、ひと言で表してしまえば「お仕事って大変!」。
ストーリーラインの太さも見逃せない、仁義なき徴税ドラマです。
(「ロマンとの遭遇! スペースオペラ!!」4選/文=高橋剛)