第11話 血塗られた、私

「はい・・・・そうなんです。実は、貴方の倒した妖怪がかなりタチの悪いものでして・・・・」




話を聞くところによると、私の陥った病気というのが、ある妖怪の血を媒介してなるもの、そして、それも私たちのような妖怪を退治する役割を担った神社の人間にしか罹らないと言われている非常に珍しい病気だって事が分かったの。


 その妖怪は、昔から私たち神社の人間と特によくぶつかり合ってきた種族の一つで、非常に強かったし、私たちも手を焼くことの多いものだった。


 とはいえ、私たちは様々な妖怪と戦ってきていたし、色々な戦術も知っていたから、私も苦労はしたけど、倒すことが出来た。しかし、そこがまた厄介なところだった。


 なんとその妖怪は、私たちみたいな神社の人間に万が一倒されても、倒された時に毒素のある血を噴霧することによって、倒した方にもダメージが行くようになっていたらしい。 


 とはいえ、その毒素は本来あまり強く効くものではないし、私たちもその種族と今まで戦ってきたことがあっても罹った事がなかったから、油断していたの。


端的に言えば、私はその返り血を浴びたことによって、そしてそれも本来それほど強く効かないものが運悪く効いてしまった結果がこのような事態を招いてしまったらしいの。

 

症状的にはわかっていないところが多くて、私に現れた高熱と悪夢を見る、ということしかわからなかったし、症状は重たかったけれど、その時は何とか目を覚まして普通に喋れるくらいには回復できたから、これでもう大丈夫だと思っていたの。


・・・・でも、この毒素による後遺症の大きさにも、私はこの後悩まされることになった。


その後、私は身だしなみを整えようと思って、ゆっくりと布団から起き上がって、廊下を伝って、鏡のある部屋まで行って、鏡に映る自分の姿を見た瞬間、私は、あの悪夢で見たのと同じ変化が自分の身体に起きていた事実に気付いて、体中に寒気が走ったの・・・・。


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