第14話 キャラの心が読者の心を動かす

かつて自分はシナリオ作りで一番重要なのはセリフだと思っていました。


しかし、実際仕事でシナリオを描くようになったり、創作に関する情報を調べたりしているとそれは違うといことがよくわかります。


一番大事なのはキャラクター。


当たり前のことですが、自分はよくわかっていなかったです。なぜ物語でキャラクターが一番重要なのか。


『人を惹きつける技術―カリスマ劇画原作者が指南する売れるキャラの創り方』(小池一夫著)によると、


『いずれにしても、「キャラクター」は人間の心や頭の中にある見えないものや、人間の個性や性質をあらわすための「イメージ」を形にしたもの、ということです。』


とキャラクターを定義しています。


この定義に基づき、キャラクターが一番重要である理由を「キャラクターが作品の中に作者が送り込んだ心だから」と著者の小池氏は述べます。


さらに同章で小池氏は


『人の心を動かすのは人の心でしかない。』


と言います。けど、心は目に見えない。だから心を形にする、もしくは心を入れる『いれもの』が必要となってくる。続けて『キャラクターは心を運ぶメディアである。』と小池氏はさらに定義します。


セリフは物語の一つの要素でしかありません。同じセリフを言ったとしても、キャラクターが強くなかったら読者に「心」が届きません。セリフを考える前にキャラクターを考えろってことですね…。


物語で大事なのはキャラクターである。わかったつもりでいましたけど、理解はしてなかったのかな…未だに頭の片隅でセリフのほうが重要じゃね? とキャラクターを認めない自分がいます。猛省しなくては…。読者の心を動かしたかったら、キャラはきちんと作れってことですね。


上記の本に書かれている小池氏のキャラクター論はとてもわかりやすいです。すべてを鵜呑みにするわけでないですけど、キャラクターをそのように捉える視点が新鮮でいい刺激になりました。読んで印象に残ったことを備忘録にしていきたいと思います。

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