第11話 テーマは後で考える
漫画、アニメ、ドラマ、小説などほとんどの作品にはテーマがある。バラエティー番組にもあるそうで、ある芸人さん曰く「テーマとは番組の魂である」と言っていた。
ちなみに自分はシナリオを考える上でテーマが一番大事だと考えている。テーマとは作者が読む人に伝えたいことだから。テーマゆえに作品を生まれるのだから。
ということで自分はテーマありきでストーリーを考えることが多い。
がしかし、テーマありきだとストーリー作りで詰まることが多い…。この展開だとテーマに関係ない話になる。この描写はテーマにそぐわない。などと筆が止まることがけっこうある。
そう悩んでいたある日、人気漫画『宇宙兄弟』を担当している編集者、佐渡島庸平さんのユーチューブ動画を見ていたら「そういう作り方もあるのか」と目から鱗が落ちた。
佐渡島さんは「ドラゴン桜2」を見て「ドラゴン桜」よりも教育論がアップデートされていると感じたことを伝えたが、作者の三田紀房先生は当初、教育論をテーマに据える作ために作品を書いたわけではなかったそうだ(書くきっかけはわかりません…)。
『アルキメデスの大戦』は新しい国立競技場を建設する際に起きたゴタゴタのニュースを見て「(改修費用の話題が出た時に)戦艦大和の建造時もこんな風だったのだろう」という思いがきっかけで生まれた作品だそうだ。多分、戦争、平和などいったテーマは構想段階で決まっていなかったと思います。
佐渡島さんが「テーマが定まらず書けない新人漫画家がけっこういる」と言うと三田紀房先生は、
「テーマは後で考えればいい」「テーマは書きながら考えるもの」「まずは面白いと思っている場面を描いてみる」
と仰った。ほかにも、「初めに大きなテーマを掲げると書きにくくなる」「テーマの大きさは針の穴くらいでもいい」「狭い穴から広げていく」などテーマの決め方についてざっくばらんに話していた。
なるほど…ベテラン漫画家が言うからにはきっとそうなのだろう。テーマはぼんやりでいいから、まず書きたいシーンを書き出してみる。そうすれば、書きたいテーマが明確になっていくのかも、と駆け出しライターの自分はさっそく実践してみることにしてみます。
以上!
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
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