第3話リボン
高校一年のクリスマス
男女10人位で友達の家に集まった
ケーキ係り
飲み物係
ギターを弾ける子がギターを弾いて
クリスマスソングを皆んなで歌った
帰りタツヤが
コレ
と、
真っ赤なリボンの付いた
小さな箱をくれた。
あのさ、ウザかったらそこの川に思いっきり投げちゃって。
タツヤらしいセリフ
いつも皆んなに気を遣って
優しくて
カッコ良くはなくて
不良のくせに
すごい真面目
投げないよ
空けていい?
タツヤは
頭を掻いた
流行りのそこそこ値段がする時計だった
え?高かったでしょ?と聞いた
タツヤは白い息を吐きながら
バイトしてるからな
て、
ありがとう大切にするよ
と、私は言った
好きだとか
付き合ってとかは
言わない
言えなかったんだ
私には好きな人が居たから
そして
昨日振られたばかりだった
タツヤは知ってた。
お互いの白い息だけが口からフワフワ流れて
それ以上何も言わなくて
散々昨日泣いた私は
少し微笑んで
タツヤはまた頭を掻いた
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