第3話 逃避行

 小学校の時、酷い登校拒否になった。


 転校先が体育会系で少年野球に入るのを拒んだ為だ。


 それから、少年野球を見ると、彼らのカーストが見えて気持ちが悪い。


 ある時、母親の財布から金を盗み、昔住んでいた県を超えた地域に行ったが、幼い頃、自分をよくしてくれた家族や近隣の住人の家を見つけられなかった。


 あきらめて、自分の住んでいる地域に帰ろうと思ったがバツが悪い。


 駅前の銀行の花壇の隅で寝た。


 朝になると、出勤前の女性職員に何故、こんな所で寝ているのと聞かれたが、逃げるように、そこを離れて、家に帰った。


 何事もなく自分の部屋に戻り、寝た。

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