第22話
―― アン様へ
アン様、こんにちは!
突然ですがバレンタインデーに手作りチョコを頂いたのでホワイトデーに何かお返しをと思って今日お届けしました。
気に入ってもらえるどうか分かりませんが一緒に入れておきます。
それからもう一つ、アン様にお伝えする事があります。
実は新聞配達なんですが今月でやめる事になりました。
アン様とは約1年間こうして手紙のやり取りをして、数えてみたら13通もの手紙を頂いていました。
僕が新聞配達を始めてからこんなに楽しい1年間はありませんでした。
アン様から初めて手紙を頂いた日の事をよ~く覚えています。
なぜならその日はバレンタインデーだったからです。
今だから言いますけれど僕はまるで恋人からラブレターをもらった気分でしたよ。
おじさんの独り言です(笑) 忘れて下さい。
今月いっぱいはまだ僕が配達をしますが来月からは別の方が配達して下さると思います。
そんなわけで僕からアン様への手紙はこれが最後になります。
アン様からの手紙はずっと僕の宝物です。
本当にありがとうございました。
どうか身体に気をつけて有意義な高校生活を送ってください。
これからもずっとアン様のご活躍を陰ながら応援しています。
―― マシュウおじさんより
♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡
『マシュウおじさん』としての手紙は書きあげた。
問題はこれからだ。
悠人は、彩宛の手紙を、書いては消し書いては消して何度もやり直して、今の自分の気持ちをただ正直に綴っていった。
どうしても、自分の気持ちは伝えておきたかった。
例え、彩に応えてもらえなくとも。
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