第10話
7月に入ると放送部も9月に行われるNHL杯全国高校放送コンテストに向けて忙しくなってきていた。
2、3年生は昨年に引き続き『創作ラジオドラマ部門』で番組制作をすることになったが、今回は顧問の山本先生の提案で、1年生の美玖と彩は、『朗読部門』『アナウンス部門』のコンテストに参加することになり、いつもとはまた違った緊張感が流れていた。
山本先生は、1年生が参加することになった『朗読部門』『アナウンス部門』のコンテストに特に力を注ぎ、部活時間はその指導にほとんどを充てていた。
『朗読部門』に挑戦する美玖は、順調に上達していき、もともと持っていた才能を存分に発揮していた。
山本先生も、将来が有望と期待していた。
一方、彩はアナウンスするためのまずは原稿作りから始めなくてはならず行き詰っていた。
悠人はそんな彩を陰ながら見ていて、何とか力になれないかと思っていた。
そこで、原稿を書くヒントをパソコンで打ち込んで手渡したり、過去のコンテストの原稿を閲覧できる画面を探し出して彩に見せたりしてみた。
その甲斐あって、彩も何とかヒントを得て、取材したりしながら、原稿を書き上げることができた。
山本先生からも書き上げた原稿のオッケーをもらえた。
一方、2、3年生は『創作ラジオドラマ部門』の制作のため、何度も話し合いを進めながら、台本を練っていった。
部員たちの色々な意見を整理しながら、部長が最終的に台本を作り上げた。
制作にあたっては
・ラジオでしか表せないもの。
・ストーリーの矛盾を減らしながらわかりやすく表現する
・台本段階で効果音のピックアップ
・音声化したときの違和感をなくす……etc
山本先生からは「明瞭さ、自然さ、感情、口調、このポイントを押さえていこう」と何度も言われた。
ナレーション役は副部長、音楽担当は2年生の落合悠人と白石亮と水野春香、編集担当は部長と3年生の泉瑛太、それぞれの配役も決まっていった。
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